物見に出ていた”鹿の蹄”のアルドールは霧を掻き分けながら戻ってきた。
彼は肩をすくめてヴェイラリオスに目配せをしてからロゥレンの主にこう言った。
「オリオンよ、やはり林は1つしか有りませんな。」
”樹海の王君”オリオンが樹海の戦士達を引き連れてエスファンの野にやって来たのは昨夕の事だった。
一行は軍事演習の前に一堂に会した3国の王を饗する為に”獅子心王”ルーエン公が開いた酒宴に加わった。
3人の王は軍事演習を前に酒宴に列席しながらも緊張した面持ちだったが、オリオンだけは上機嫌で、”恨みを背負いし者”ソルグリム公が連れて来た(あれは道化師か?とヴェイラリオスはつぶやいた)スタブルと名乗るハーフリングの若者にまで愛想を振りまいていた。
宴が進んで来た所でルーエン公が3人の王に 「明日の事なのだが、戦場はエスファンの西と東に用意してござる。 カールフランツ殿とソルグリム殿、オリオン殿と某とが手合わせする訳だが、どちらがどの戦場を使うか決めておきたい。」と申し出た。
正直なところ他の3人はその場を見なければ判断がつかない訳なのだが、オリオンは自慢の強弓を取り出してこう言った。
「それでは俺が天に向かってまっすぐ矢を射る。落ちてきた矢が俺より西寄りなら我等が西側、東寄りならば東側、これで良いか?」
他の2人はこの申し出に合意する事にした。
「東側に矢を落としなさいませ。」
この話に加わっていたヴェイラリオスはそう耳打ちしようとした。
ロゥレンから遠くなる西の野では林が少なく、苦戦する事が容易に想像できたからだった。
しかし、ヴェイラリオスが声をかける前に、オリオンの右手は番えた矢を離していた。
空高く射込まれた矢はしばらくすると恐ろしい速さで戻ってきてオリオンの西側の地面に深々と突き刺さった。
(相変わらず人の言葉を聞かぬから困る)
ヴェイラリオスがそうして落胆の溜息をついたのが一昨晩の事だった。
林の少ない戦場を選んでしまった事が解ると、軍団にざわめきが起こったが、それを制したのはオリオンだった。
「林が少ないくらいの事で騒ぐな! こんな事も有ろうかとこういう物を持ってきたのだ。」
そう言ってオリオンは、腰の袋から1つの団栗を取り出すと案外と器用に自分の矢に括り付けて戦場に発射した。
すると矢が刺さった場所からは見る見るうちに樹木が生えてきて、しばらくする間に小さな林が現れた。
「どうだ。古の樫の実をアリエルから貰ってきたのだ。」
オリオンは得意げにそう言った。
(東の野を取ってこの実を使っていれば敵軍を林に包めただろうに)
そう思ったのはヴェイラリオスだけでは無かったかもしれない。
そうしてとにかく樹海の戦士達は展開を始めた。
やがて霧が晴れるとルーエン公が誇る王国の騎士団が姿を現した。
そんな訳で戦場のセッティングです。
今回4人で2卓を用意してダイスロールでテーブルを選択したのですが、どうも私のダイス目が振るわず、林の少ないテーブルで、なおかつ1人1つづつの追加情景モデルでも林を取る事が出来ず、結局のところウッドエルフのスペシャルルールで持ち込んだも林を1つ置いて、何とか戦場に林が2つの状態になりました。
アーミーの初期配置は上図のとおりです。
今回は中央に仕切りを入れ、配置完了までお互いが見えないようにして一気に配置しました。
接近戦に強いルーエン公に射撃でダメージを与える為、オリオンを離して配置したかったのですが、仕切りを取ってみると、ルーエン公が真前に居り、苦戦が予想されます。
またスペルジェネレイトは、
ヴェルーダLv2 1.森の歌
6.祝祭の先触れ
ドゥルワウスLv1 2.森の怒り
6.祝祭の先触れ
ドゥルワウスLv1 2.森の怒り
となりました。
2 件のコメント:
初期配置の図面、すんごく本格的ですねっ。
初期配置のダイスの出目のおかげで、林の少ない、騎士の動きやすい戦場になって、ほんとにホッとしたです。。。
スノットさんに、「地の利」を生かされたら、たまったもんじゃないですもん。
>ZONOさん
こんばんわ
普段仕事でCADを使っていたので、こっちに利用してみたら意外と使えるみたいです。
本当はゲーム展開も細かく図面化しようと思ったんですが、記録不足がたたってどうも無理みたいです。
次回からは白いMAPを持ち込んで書き込んでいけばかなり細かいレポートが作れそうな気がします。
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