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2016年3月27日日曜日

ダンバイン2000年版 第20回 爪、関節、オーラショット他

 製作中の2000年版ダンバインです。

 旧キット選手権にはダンバードで出品ですが、一般参加にはこちらで行く予定なので、並行して製作を進めます。
 エポキシパテを多用する僕の場合は、パテの硬化時間と練混のタイミングを管理すれば2体同時でもあまりロスは無いと思っています。

 今回は前の日記から続けていた細かい工作の総集編みたいな感じです。
 定点写真から↓
まずは首関節のディテール↓

エポキシパテの塊だった首本体にカッターで画稿にある蛇腹状ディテールを刻みました。
 また、胴体側にもディテールを付けますが、エッグシェルの内側にカッターが入らず悩んでいましたが、結局シェル外殻を一旦超音波カッターで切り離してディテールを刻み込んだ後、瞬着で接着しなおしました。

 続いて腕の射出式ワイヤークロー↓
キットの爪の形状は悪くないのですが、2000年版の画稿では付け根と先端近くに大きな反りが付いています。
 動物の爪に付く曲線じゃないので、やっぱり昆虫の様な強獣の爪か金属製のパーツじゃないかと思います。

 そして足の爪↓

以前の日記で大体の形を作ってから面構成が掴みきれずに手が止まっていましたが、やっと形が解ってきました。
 足指の側面にゆるいエッジが有るようです。(この作品ではエッジの話ばっかりしてる気がします)

 最後はオーラショット↓
2000年版ダンバインの画稿にオーラショットは無いのですが、宮武氏が描いたダンバインの準備稿を元に、照準器らしいディテールをプラ板で作り貼りつけました。
 実は排莢口もアニメ版は2個所ですが、準備稿では砲門と同じ4か所に分割されていますので、これもいずれ再現します。

 今回は以上です。

ダンバード 第1回 全日本旧キット選手権参加 エスキース

 このところ遅速ながらダンバイン2000年型の製作を進めていますが、今年に入ってから模型展示会への出品をしてみたいと思うようになり、イベントを探していました。
 そんな中で開催時期や場所などを考えて、11月5日に浅草橋東商センターで開催される千葉しぼりさん主催の第三回千葉しぼり展示会「全日本旧キット王選手権」に応募し、一般参加枠と選手権枠でそれぞれ1枠づつ参加することにしました。
 主催側としては旧キットの概念は参加者の考えを尊重し、個々人に任せるということです。
 基本的には今製作中のダンバイン2000を出品したいと考えていますが、僕の考えでは基になったMGダンバインは旧キットではないかな?と思い、一般参加枠で出品する事とし、選手権枠には別の物を出品することにしました。
 勝つことが目的じゃあるませんが、選手権であれば得意な物となると僕の場合はやっぱりオーラバトラーで、ある程度大きい物、かつ、アイテム的に目玉感が有る物、の3点から考えました。
 キットが手に入っていれば1/24ダンバインも良いんじゃないかと思っていましたが、物がないのと「またダンバインかよ」と言う事も有ったので却下。
 オーラバトラーである程度の大きさというと1/48になりますが、製造されているキットのラインナップは
・ダンバイン
・ドラムロ
・ビランビー
・ビルバイン
の四つです。
 この中でダンバインは大好きですが、前述の理由もありパス。
 ドラムロとビランビーは好きですが、目玉感は弱い気がします。
 と言うわけで残ったのはビルバインです。↓

 ビルバインは聖戦士ダンバイン全49話の中の第29話「ビルバイン出現」から登場し、以後最終話の「チャム・ファウ」まで主人公ショウ・ザマの乗機として主人公メカを務めたオーラバトラーです。
 前年の戦闘メカザブングルで登場したウォーカーギャリア↓
につづく2号主役メカですが、ギャリアが全50話の後半折り返しの26話からの登場に対して、ビルバインの登場はやや遅めです。
 これは放送当時玩具を製造していたスポンサーであったクローバーの経営が危ないということで、急遽変形機構を持ち、プレイバリューの高い主役メカを登場させようということで登場したもので、問題が無ければ主役はダンバインで通すつもりだったようですね。
 結果は登場が間に合わずにクローバーは倒産し、変形するビルバインの玩具はトミーから発売されることになりました。(ダンバインがクローバー倒産の直接の原因ではないと思いますが)
 そんな訳でビルバインは玩具中心のデザインになっており、やや直線的で、色も赤+白+黄色と派手目になっており、冨野監督もインタビューで色が気に入らない旨のコメントをされており、デザインに携わった湖川友謙さんも時間が有ればもうちょっと練りたかったと仰っています。(ビルバインのデザインは湖川氏、出渕裕氏、玩具メーカー等で進めていて誰のデザインとははっきり言えないようです)
 と言うわけでビルバインのデザインは有体に言って他のオーラマシンと浮いており出渕氏も後にオーラファンタズムでヴェルビンという形でオーラマシン的に翻訳したメカを描いたりしています。↓
 僕自身もオーラバトラーが好きな分ビルバインのデザインには違和感を感じるクチなので、ヴェルビンもいいのですが、それなりに人気のあるデザインでもあるので、過去に出来のいいガレージキット等の立体物が出ており、稚拙な僕の技術では「ガレージキット買った方が良いだろ」と言う結論になるので(ウェーブからすごいのが出そうですし)、これも無いかなと思っていました。
 そんな感じなのですが、実はデザインの過程で湖川氏が書き起こした準備稿が有ります。↓
 上の画像は放送直後に徳間書店から発売されていたロマンアルバムエクストラに掲載されたものですが、実は2000年頃に発売されたダンバインノスタルジアという本の表紙に湖川氏の描き下ろしが載っており、僕がこのデザインの存在を知ったのはこれでした。↓
 ダンバインの後ろの影のように描かれているのがそれです。
 ラフ段階で没になったもののようですが、スタイリングはずんぐりしているし、変形したウィングキャリバーも決定稿のようなシャープさは有りませんし、変形機構が玩具で再現するには無理がある感じがします。
 玩具のデザインとしては没になるのも仕方ないかと思います。
 しかしながら決定稿のビルバインよりもオーラマシンとして違和感のないデザインになっており、今の目で見るとこういうスタイルのデザインもオーラバトラーとしては有りじゃないかと思っています。
 と言うわけでこれを製作することにしました。
 ネーミングについては、ビルバインでは混乱するし、没版ビルバインでは後ろ向きで感じが悪いと思います。
 ラフ画稿に「強化型ダンバイン」「ダンバード」「オーラバード」といった名前が書かれています。
 強化型ダンバインは本当に仮の名前ですし、オーラバードはウォーカーギャリアと同じ文法の名づけ方ですね。
 個人の好みの問題ですが、今回は一番キャラクター性のあるダンバード(「ダンバ」までが一緒なので親御さんに同じ物と認識されるのを警戒したのかな?ザンボット3のザンバードにも響きが似てますね)を採用することにしました。

 製作するにあたっては、元がラフ画稿であるため、形状がはっきり読み取れない個所が多くなっていてます。
 2000年型ダンバインは画稿が少ないながら、よく見ると形状が読み取れますが、(これが面白いのですが)こちらは無理そうですし、自分で形が解っていないと手が止まって製作が間に合わなくなると思います。
 僕自身の好みの問題もあるので、ここは画稿を基に自分なりのエスキースをまとめてみました。
 ↓

 頭部はノスタルジアの表紙にも使われた「オーラバード」のヘルメットシェルと眉庇が一体化した物。
 ボディは腰から二つに折れて変形する「ダンバード」の物。
 腹と胸が開くような感じですが、胸は開かなくても腹だけが開けば良さそうなので、そういうのデザインにアレンジしています。
 腕はビルバインにその面影が残っていますが、着陸脚を兼ねる爪がごついですね。(手の甲側だけでなく、手のひら側にも爪が有るようです)
 ビルバインでは放熱口のような孔が並んでいますが、こちらでは「フレイボム」(火炎放射器)のメモ書きが有ります。
 脚は湖川さんらしい反りが効いたデザインですが、後ろ側の形が解らないので、ここは自分の趣味を反映させて、ふくらはぎにオーラコンバーターが内蔵されているような形にしてみました。(噴射口はフィアットやスズキの自動車でよく使うエアコン吹き出し口をイメージしました)
 その関係で膝パッドに書かれた円形のディテールをエアインテークと曲解して吸気孔にしようと思います。
 それから太ももにはダンバイン宮武画稿にも見られる気孔を付けてダンバインとのつながりが感じられるようにしてみました。
 背中のコンバーターもあまりはっきりした画稿が有りませんが左右一体型のようなので、ダンバインの物をアレンジしてみました。
 画稿にはコンバーター上部のバルジに「オーラバルカン」のメモ書きが有ります。
 また、変形機構の関係上、プリュウム(羽根)はビルバインと同様にボディではなくコンバーターに付けます。
 これ自体がラフな代物ですが、僕自身が形を把握できれば大丈夫なので、これで行こうと思います。

 製作についてはこのエスキースとキットでは、かなり別物ではありますが、ボディに似ている部分は有るし、左右対称を出すにもキットを利用する方が簡単なので、1/48ビルバインを改造するつもりです。
 変形機構については無理っぽいですが、パーツのバランスは変形できる様にしておいて、出来れば差し替えで変形できるようにしてみたいですね。