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2007年7月31日火曜日

アリエルの御前会議(第2試合イントロ)




 第1試合敗戦の方を聞いてアセル・ロゥレンの重鎮達は、女王アリエルの御座す古の樫の下に集まった・・・

***
 アセル・ロゥレンの女王アリエルは古の樫の足元に拵えられた玉座に腰掛けていた。
 玉座の前に作られた広場には、アセル・ロゥレンに住まう貴人や、将軍達が集まっていた。
 「ブレトニア軍に負けたのは、オリオンを助けるヴェイラリオスが不甲斐無かった故で有りましょう。試合とは言え次も負けを喫する事があれば我等の沽券に関る事でございます。こうなればこのイヴェリオンと”黄金龍”ナルスがヴェイラリオスに代わって王をお助け申しましょうぞ。」
 女王に奏上したのは”龍騎将軍”と呼ばれるアスライ、イヴェリオンだった。
 彼の隣りには、金色に輝く鱗に覆われた巨大な体躯をきちんと丸めたフォレストドラゴン”黄金龍”ナルスが持していた。

 「アリエル殿、そなたとオリオンとは永い付き合いじゃ。此度はわしが力を貸すのも良かろう。」
 そうアリエルに言うのはツリーマンの古老、”白樺”のザイ=モゥグだった。
 古く年老いた白樺の様な身体を持つ彼は、若い(といっても最も歳若い者であれ、ツリーマンを「若い」と言えるのはスランくらいの者だろう)ツリーマンに比べると背は低いが、その手足は大樹の幹の様に太かった。
 「まあ待て、ヴェイラリオスはまだ若い。こういう機会を与えてやるのも今後の為には良かろう。だが女王陛下の命ずる所であれば、このエルヴァリオンも老骨に鞭打って戦いましょうぞ。」
 これは”老将”エルヴァリオンの言である。
 大老会議にも名を連ねる彼は、アスライ達の中では最も古株の戦士の1人であり、その顔には彼の長い人生を窺わせる深い皺が刻まれていた。
 何でも彼の祖母はウルサーンの貴族の出であったそうな・・・
 ロゥレンの戦士達にとってこの試合は直接森の存亡がかかる物では無かったが、「ロゥレンの軍勢組し易し」と他国に思われる事は好ましい事では無かった。
 今は同盟を組む3つの国も、時と場合によっては常に味方であるとは限らないのだ。
 「冬が来る度に気安く森に侵入されてはたまらない」のである。
 我こそはと思うロゥレンの将軍達は、各々が”楽園の騎士”ヴェイラリオスに代わって”樹海の王君”オリオンの補佐役を務めようと女王アリエルに申し出た。
 中でも若く野心に溢れた”龍騎将軍”イヴェリオンはこの大役を仰せつかろうと、他の諸将よりも強く主張していた。
 同年代のヴェイラリオスよりも自分こそがオリオンの補佐役として相応しいと信じていた。
 「オウリィエル(ワイルドライダー)達は近衛に過ぎん。副将として軍団をまとめるならば空駆ける俺の方が向いている。」
 それがイヴェリオンの主張だった。
 それに対して”老将”エルヴァリオンは慎重だった。
 エルヴァリオンはいささか無鉄砲なヴェイラリオスの戦法を良しとはしなかったが、時に見せる勇気と思い切りの良さを快く思っていた。
 一度の敗戦で彼から役を奪う事は避けたかった。
 彼は戦地に赴いてヴェイラリオスに経験と知恵を授けたいと思っていたのだった。
 そうして諸将の主張が出揃うとアリエルは目を閉じて思考を巡らせていたが、程なく目を開くとそこに居た全員に彼女の決定を述べた。
 「此度の主将を務めるのはあくまでも”樹海の王君”にして我が夫オリオンぞ。此度の事についてはオリオンにお任せしているからにはオリオンにお決め頂くのが正しかろう。」
 「”白樺”のザイ=モゥグ殿、”老将”エルヴァリオン、”龍騎将軍”イヴェリオンよ、そち達はエスファンの野に赴いて次なる戦いに向けてオリオンのご決断を仰ぐが良い。」
 アリエルの決定が下されると、その場に居た者達は沈黙と礼を以てその決定に従う意を示した。
 「エスファンの野にお前の金色の翼を広げてやろうぞ。」イヴェリオンが、そう”黄金龍”ナルスに語りかけると、ナルスは静かに頷くのだった。

2007年7月30日月曜日

7.29タラベック境(練馬ミニチュアゲームの会)

 昨日は練馬ミニチュアゲームクラブにおいて7.28から始まったウォーハンマーFBのバトルキャンペーン「ネメシスの冠」に初参戦してきました。


 今回はかねこさんと、「ジキル&ハイド」http://blogs.yahoo.co.jp/knight19732001のジキルさんが来場してこられたので、ジキルさんのドワーフアーミーと2250ptsでバトルする事になりました。

 こちらはドラゴン、ツリーマンといったモンスターと、ワイルドライダー等のキャバルリーを中心にした編成でした。
 対するジキルさんは、スペシャルキャラクター”鉄ふいご”のソラクをジェネラルにして、ウォーマシンやウォリアーで固められた編成でした。
 ソラクのアンヴィルの性能が著しく高い事は知っていたので、何とかソラクに辿り着いて接近戦に持ち込むつもりで機動しました。
 なんとかドラゴンでアンヴィルに突撃する事に成功したのですが、こちらの出目が振るわずにこう着状態になっていた所をマイナーに突撃され、なおかつこちらのセーヴィングが振るわずに、ハイボーンが早くも戦死してしまいました。
 ドラゴンはモンスターリアクションに成功したのですが、反撃においてもソラクに止めを刺すことが出来ず、そのまま戦意喪失して、逃走する羽目になりました。
 その後アンヴィルは「太古の力」でこちらにダメージを与え続け、対するこちらはその後何度かソラクに攻撃を仕掛けたのですが、最後の1ダメージがことごとく(10回前後だったと思います)セーヴィングされてしまい、最終的にジキルさんの辛勝となりました。
 結局ソラクを討ち取れなかった事が敗因ですが、セーヴィングで攻撃を弾かれた事が原因で、尚且つこちらの損害がほとんどアンヴィルに拠る物なので、負けは負けなのですが、何だかサイコロに負けたみたいで、どうも納得いかない結果になりました。

 休憩をはさんで今度はかねこさんのエンパイアと同じく2250ptsでバトルしました。
 私の編成は1戦目と同じで、かねこさんは、スペシャルキャラクター”最高主席魔術師”バルタザール・ゲルト率いる重魔法編成です。
 マジックで押されると脅威なので、早めにゲルトをしとめたいと思い、早い時点でドラゴンの「恐慌」効果が及ぶポジションにつけたのですが、恐慌テストにクリアされ、(この後他のユニットにも恐慌テストをしいたのですが、この日は全てクリアされてしまい、恐怖テストもほとんどクリアされてしまいました。)
 その上ディスペルダイスを担っていたブランチレイスが、接近戦で戦死してしまい、後の流れでほとんど呪文を止められなくなってしまい、主力ユニットがどんどん討ち減らされていきましたが、最終ターンで、ドラゴンからゲルトへの突撃が成功してこれを討ち取り、何とか引き分けに持ち込む事が出来ました。
 このバトルでは、かなり重大なミスを2回も犯して、貴重な戦力を無駄に消耗してしまいました。
 どうもこの所、色々なゲームに手を広げたところでFBの勝負勘がすっかり鈍ってしまっているようです。
 暫くFBに集中して勘を取り戻したいと思います。

***
今回の戦績

1.2001pts以上敗北    武勲マーク3×大合戦2=6
                出陣マーク1×大合戦2=2

2.2001pts以上引き分け 武勲マーク4×大合戦2=8
                出陣マーク1×大合戦2=2

計 武勲マーク14点
  出陣マーク4点

**
スノット累計 武勲マーク14点
        出陣マーク4点

 皆さんはどうだったでしょうか?

2007年7月27日金曜日

第1試合B(ソルグリムvsカール・フランツ)2

 既に日は天高く上り、観戦用天幕ではルーエン公が用意させた料理が振舞われていた。
 非常に手間を掛けて作られた料理は、地元の農民が作った肉や野菜がふんだんに使われていた。
 普段粗食に慣れていたヴェイラリオスも口には出さない物のまんざらでもない様子で、料理を口に運びながら戦況を眺めていた。
 戦場では帝国軍の背後に突如地面を割って現れたドワーフの鉱夫の一団が、帝国軍の砲陣地に迫っていた。
 着々と迫るドワーフ達を前にして帝国の砲兵達は、目前の鉱夫達ではなく、戦場中央に進軍している至高王ソルグリム公に狙いを定めていた。
 「思い切りが良いな。あの砲兵は」
 そう呟いたのは食事を取らずに戦場を注視していたオリオンだった。
 間もなく轟音と黒煙を伴って大砲から発射された砲弾は、狙いを違えずにソルグリム公その人に命中した。
 この砲弾を受けた兵は、大抵の場合鎧ごとその体をバラバラに砕かれてしまうのだが、巨大な玉座の加護を受けたソルグリム公は相当の重傷を負いながらも、毅然として玉座に座りなおし、彼の周囲を固める衛兵達を叱咤していた。
 「あの御輿は飾りではないらしい」
 ヴェイラリオスは感嘆の呟きをもらした。
 そして今度は林の中に隠されたドワーフの金床が先程とは違う音を響かせた。
 すると戦場に居たドワーフ戦士の一団がエルフの足でも敵わぬ程の速さで帝国騎士めがけて走り出した。
 しかし、もう少しで突撃かと言うところでその速度は急速に衰えてしまった。
 「突撃には失敗したが、なかなか厄介な物を使って居られるな。」
 これはルーエン公の弁だ。
 こうして激しい応酬を続けていく内に、次第に日は傾いていった。
 そして今日何度目であったか帝国軍の大砲が吐き出した砲弾が、今度は大軍旗を掲げるドワーフのセインを直撃した。
 風になびきながらゆっくりと軍旗が倒れると、ドワーフ達にどよめきが走った。
 そして皇帝カール・フランツが駆るドラゴンが、遂にソルグリム公率いる近衛兵隊に躍りこむと、公に1対1の一騎打ちを申し込んだ。
 誇り高いソルグリム公は、今や斧を構えるのがやっとの状態であったが、この一騎打ちを受けて立った。
 そして次の瞬間帝国の至宝とも称される「ガールマラッツ」と呼ばれる大きな鉄槌(これを作ったのはドワーフなのだそうな)がソルグリム公に振り下ろされると、遂にソルグリム公は玉座の上で力尽きてしまった。
 ソルグリム公が戦場を退いた後も、頑固なドワーフ達は粘り強く戦いを続けていたが、少しづつその数を減らし、日が暮れる頃には戦いの帰趨は決していた。
 「もう良かろう。カイエンよ、行ってくれ」
 ルーエン公はそう言って、彼の傍らに座していた位の高そうな若い騎士(彼は今日1日完全武装のまま王と共にここで観戦をしていた)に命ずると、その若い騎士は大柄な馬に飛び乗って戦場にかけていった。
 間もなく彼が演習の終わりを告げると、必死の形相で戦っていた両軍の兵達は、緊張を解いてその場に座り込む者、互いに握手を交わす者等殺伐とした戦場は一変して安堵感と疲労感に包まれた。
 もっとも負傷兵を治療する為に待機していたダムゼル達の戦いはこれからであった。

2007年7月26日木曜日

第1試合B(ソルグリムvsカール・フランツ)1

 オリオン率いる樹海の戦士達とルーエン公の騎士達との試合の前日・・・
 オリオンはルーエン公がエスファンの野を見渡す高台に用意した観戦用の天幕で片肘をついて皇帝カール・フランツ率いるエンパイア軍と至高王ソルグリム率いるドワーフ軍とが行う試合を観戦していた。
 観戦席には”樹海の王君”オリオンの他に、ヴェイラリオスとヴェルーダ、それにアルドールが同席していた。
 そして彼らと隣席して、ルーエン公と彼の側近が同席していた。
 ブレトニアの貴族達はヴェルーダに興味津々の様子だった。
 ブレトニア貴族からすれば、エルフの女性は滅多に見る事は無かったし、彼女はエルフの中でも美しい女性だった。
 彼らはさりげなく(少なくとも本人はそう思っていた様だ)時折彼女を覗き見ようとしていたが、間に着座していたアルドールがその度に、こちらもさりげなく身を屈めたり仰け反ったりして彼らの視線を妨げていた。
 ヴェイラリオスはその様子を見ながら複雑な気持ちで苦笑したものだ。
 やがて朝靄が晴れると、両軍の布陣が露になった。
 オリオンが隣りに座るヴェイラリオスに呟く様に話しかけた。
 「ドワーフ達は数が少ないな。精鋭で固めてきた様子だな。」
 「皇帝はドラゴンを連れてきたようだな。それにあちら側には鉄の亀が居るぞ。」
 オリオンは退屈そうにしていながら、意外と細かく両軍を観察していた。
 ソルグリム公はこちらにも届くほどの大きな声で全軍に激を飛ばしていた。
 「我らが軍勢!これ鎖帷子と例ゆ!皆、各々が鉄の輪なり!義務、名誉、忠誠によりて繋がれし綻び無き鎖帷子、如何なる刃も通す事なし!故に如何なる攻撃も団結せる我等の前には無力なり!!」
 「長い口上だ」
 アスライから見るとあまりにも長い前口上にヴェイラリオスは呟いた。
 ソルグリムが激を飛ばす間に帝国軍は進軍を開始していた。
 そして辺りにけたたましい音を響かせて巨大な鋼鉄の亀(帝国軍ではタンク(貯蔵庫)と呼ぶのだそうな)が前進すると、轟音を上げて前方に突き出た主砲から人の頭程の大きさの砲弾が飛び出した。
 砲弾は弧を描いて標的のドワーフ軍自慢の連射砲めがけて飛んで行き、見事に命中したのだが、目だった損害は見受けられなかった。
 それに応えるように今度はドワーフの火炎砲から火球弾が発射された。
 これも狙い違わず帝国軍の砲陣地に着弾したが、何故か火が出ずに帝国兵は大量のタールを被るのみであった。
 「火が出ぬのでは花火にもならんな。」
 オリオンが退屈そうに言った。
 火を吹き上げる所を期待していたらしい。
 しかしそうしたオリオンの呟きをかき消す様に辺りに甲高い打音が鳴り響いた。
 正体不明のこの音に天幕の中はざわめいたが、ルーエン公が口を開いた。
 「ドワーフが使う「破滅の金床」でござるな。どうやらカール・フランツ殿のドラゴンが飛べなくなったようじゃ。」
 「歯がゆいな。俺ならばあんな音で怖気づいたりはしないぞ。」
 オリオンが少し苛立たしげに言った。
 そしてまた両軍の間に火砲の応酬が始まった。
 先程はお互いにやや不発気味だったのだが、今度はお互いの兵がバタバタと倒れていった。
 そして先程タンクの砲火をしのいだ連射砲が、前方の重装の騎士に向かって火を噴くと、その矢玉は帝国騎士の重厚な造りの鎧を貫いて(ヴェイラリオスには千切った様にもみえた)幾人もの騎士が落馬し、動かなくなった。
 (ルーエン公は治療すると言っていたが、あんな状態で果たして治療が出来るのだろうか?)
 ヴェイラリオスは疑問を持たずには居られなかった。

2007年7月25日水曜日

ドラゴンを作ってみよう 9日目(小妖精)




 今日はいよいよ小妖精を塗って一先ず塗り分けを完了させる事にしますが、その前に先日塗ったボディの腹側の部分に少し明るい色を入れて、陰影を付けました。
 Rotting Fleshをコックピット色と1:1くらいで混ぜてざっとペイントしました。(Rotting Fleshのままでは少し黄色過ぎるようです)
 昨日の状態に比べるとかなり立体感が出たと思います。
 続いて小妖精のペイントに入ります。
 今回は特に9体もの小妖精を塗るので、配色に少し気を使いました。
 先ず小妖精に使う基本色を用意します。
 割と原色に近い鮮やかな色をチョイスしました。(地味な色でリアルに塗ると、「小妖精」と言うより「小動物」と言った感じになりそうです)
 今回用意した色は、Ulutramarines Blue、Enchanted Blue、Hawk Turquoise、Liche Purple、Warlock Purple、Blood Red、Fiery Orange、Sunburst Yellowと言ったところです。
 全体が緑系統なので、塗った時に補色効果で一番目立つのはBlood Redと言うことになるので、この色を何処に配置するかをスタートポイントにしました。
 顔の周辺は、目や口に赤系の色を使っている為、赤の効果が薄くなるので、顔が見えない背中側の1体をBlood Redで塗り、これの近くに系統の違う色を使うと言った具合で、配色を決めていきます。
 そうして配色を終えたのが写真の状態です。
 前回地色を白くして置いたので、厚塗りしなければこの状態で既にグラデーションがかかった状態になります。
 気になる所や強調したい部分に改めてハイライトを置いて行けば申し分の無い出来栄えになると思います。
 これで基本の塗り分けが出来たので、ドラゴン本体はイベント等に持っていっても「完成品」で通用すると思います。
 次回は足元のデコレーション、騎乗する双子のペイント等を進める予定です。

2007年7月24日火曜日

ドラゴンを作ってみよう 8日目(角、爪)


 ながら作業だとあまり進まないのですが、今日もペイントの続きを行いました。
 以前にGraveyard Earthで下塗りをしていたので、今回は各部をKommand Khaki→Breached Boneで上げていきました。
 これで各部の基本的な塗り分けが出来たので、次回から各部の小妖精をペイントする予定です。
 本体がトーンを分けた緑色でやや地味なので、小妖精は派手な色にする事にしました。
 その為、今日はSkull Whiteでベース塗りをしました。
 ミニチュアが大きい為、取り付いている小妖精も数が多く、白で色分けしてみると9体もの小妖精が取り付いていました。
 次回はこれに色を着けていく予定です。

2007年7月23日月曜日

ドラゴンを作ってみよう 7日目(ボディ腹側) 




 バトルレポート等で、暫く休んでいましたが、とりあえず一段落ついたので、久々にドラゴンのペイントを再会しました。
 今回は角や爪を塗って行こうかと思ったのですが、作業を休んでいる間にミニチュアを眺めるにつけ、ボディが単調な気がしたので、ボディの腹側のトーンを変えてみる事にしました。
 以前にドラゴンを作ったときは、背中と腹側で色味を変えていたのですが、今回は同系色で纏めてみようと思います。
 そこでいろいろ探してみたところ、結局タミヤアクリルXF-71コックピット色(日本海軍)を使う事にしました。(写真上段)
 顔部分、胴体腹側、腕部、脚部、翼骨組部をこの色で塗っています。
 元々濃緑色を全体に塗ってあるので、コックピット色を塗る際にも最も暗くなる部分は、筆を入れずに残しています。
 作業自体は簡単なのですが、ミニチュアが大きいので、結構時間が掛かりました。
 最初から計画していた場合は、最初にコックピット色を流して、鱗部分だけに濃緑色を流すと、全体の作業が楽になるかと思います。
 この段階で、かなり出来た感じになってきました。
 緑はもっとハイライトやシェイドを入れて行けますが、次回は角、爪の作業を進めたいと思っています。

樹海の戦士その12 ウォーダンサー


 今回の「樹海の戦士」はスペシャル枠の「分散隊形」ユニット、ウォーダンサーを紹介します。

 ウォーダンサーはスペシャル枠で編入されるユニットで、このユニットもまた「分散隊形」、「心理ルール無視」、「護りの紋様」、「ロエック神のシャドウダンス」「ウォーダンサーの武器」と言った多くのスペシャルルールが適用されていますので、前回のツリーマンやワイルドライダーと同様に、ゲーム開始時に相手プレイヤーへの説明が欠かせません。
 このユニットはウッドエルフのエリートユニットらしく、能力値が非常に高いのが特徴の一つです。
 中でも取り分けて(敏)6と(接)6が飛びぬけて高く、特にキャラクターでない兵が(接)6を持つユニットはゲーム全体を見渡してもハイエルフの「ソードマスター・オブ・ホエス」のみで、人間のヒーローに対しては3+ヒットロールを可能にします。
 また、彼らの専用武器「ウォーダンサーの武器」は(回)+1に加えて突撃時のみ(攻)にも+1のボーナスが適用される為、先制突撃が出来ればかなりの高い攻撃力を期待出来ます。
 そして、ウォーダンサーの最大の特徴としては「ロエック神のシャドウダンス」が挙げられます。
 これはダンスを踊りながら戦うウォーダンサーのファイティングスタイルをルール化したもので、接近戦の際に4つのダンスの内1つを選んで闘います。
 ただしターンを跨いで継続して戦い続ける場合、1つのダンスを連続して選ぶ事は出来ません。
 その演目の内容としては、
1.「風巻く死」 ウォーダンサーの攻撃に「必殺の一撃」が適用される
2.「吹きすさぶ刃」 (回)+1のボーナス
3.「影の螺旋」 4+のワードセーヴィングを得る
4.「うねる霧」 (回)が-1される代わりに常に攻撃の先手をとれる

と言った具合です。
 「ウォーダンサーの武器」とのコンビネーションを考えて、4つのダンスを選択します。
 「風巻く死」は強力な攻撃で、セーブの硬いキャバルリーや複数の(傷)を持つキャラクターなどに対して威力を発揮します。
 恐らく、ウォーハンマーにおいて、「必殺の一撃」を安定して期待できる唯一のユニットだと思います。
 ただしキャバルリーは足の速さの関係で、先制して突撃を決めるのはなかなか困難です。
 「吹きすさぶ刃」(回)が増えるので、歩兵ユニットに対して大きな戦果を期待出来ます。
 「ウォーダンサーの武器」の突撃時の(攻)ボーナスとの相性が一番良く、余程の事情が無ければ、相手がキャバルリーであっても突撃を決めた時には「吹きすさぶ刃」を選択するのが良いと思います。
 「影の螺旋」と「うねる霧」は、あまり攻撃的に使えない為、「隊列」や「スタンダード」の戦闘結果ボーナスが無く与えたダメージのみでポイントを稼がなくてはならないウォーダンサーにとっては、使うシチュエーションが少ないと思います。
 ダンスの選択としては、突撃時は「吹きすさぶ刃」その後のターンに戦闘が継続した場合は「風巻く死」を選んで、状況によっては「影の螺旋」「うねる霧」を選択するのが良いと思います。
 いざ突撃を受けると、突撃リアクション「逃走」を選択できない(心理ルール無視)上、(耐)3、セーヴィングは6+ワードのみとなっているので、突撃を受けた場合生き残るのは非常に困難だと思います。
 もしも突撃を受けてしまった時は、相手の出目がコケるのを期待して「風巻く死」を選択するしかないかな?と思います。
 実戦では、 無理にキャバルリーを狙って動くと、足の速さの関係で返り討ちに遭う事が多いので、基本的には、ドライアドと同様に他のユニットと連携して戦う事が基本になるでしょう。
 それからウッドエルフの強敵ユニットの一つとして、ビースト・オブ・ケイオスのビーストハードが有りますが(「隊列」ボーナスを持っているにも拘らず、「分散隊形」である為、側・背面を取る事が非常に困難です)、このユニットに対抗する為には、一瞬で大量のダメージを与える能力を持つウォーダンサーが極めて有効です。
 私は2000ptsの場合、大抵9人編成で1ユニットを編入しています。(好みの問題も大きいのですが)
***
 ミニチュアについてですが、写真の物は旧版のミニチュアで、ミュージシャンと中央右側の女性モデルだけはコンバージョンして有ります。
 逆立てた髪とウォーペイントが、大きな特徴です。
 今版ではこの髪型が無くなってしまったので、少し寂しいのですが、新モデルもいずれ完成させようと思っています。
 実はウォーハンマーを始める時にウッドエルフを選んだ理由は、このウォーダンサーを使いたかった為でも有り、初めてペイントしたウォーハンマーのミニチュアもウォーダンサーです。
 そんな訳で、自軍のミニチュアの中でも、非常に思い入れの深い物の一つです。

樹海の戦士その11 ツリーマン+ツリーマン・エインシェント


 樹海の戦士も10回を超えましたが、まだまだ重要なユニットが残っています。
 今回はレア枠の精霊モンスター、ツリーマン、およびツリーマンのキャラクター、ツリーマンエインシェントを紹介します。
 ツリーマンはレア枠1つ(ツリーマン・エインシェントの場合は更にロード枠1つ)を使って編入できるユニットで、以前に紹介したワイルドライダーと同じく、非常に多くのスペシャルルールが適用されています。
1. 森の精霊
2. スカリィスキン(3)
3. 鋼鉄の意志
4. からみつく根
5. 炎に弱い
6. 恐慌を引き起こす
7. 森の歌
8. ラージ・ターゲット
 以上8つものスペシャルルールが有りますので、対戦前に相手に説明が必要となります。(聞いている相手もうんざりしそうですが)
 元々(耐)6にスカリィスキンで3+のアーマーセーヴィングを得ている上に、「森の精霊」のルールで、限定的では有りますが5+のワードセーヴィングを持っており、非常に打たれ強いユニットだと言えるでしょう。
 耐久性については、「炎に弱い」と言うウィークポイントも抱えていますが、炎による攻撃で、ツリーマンに安定して有効打を与えられる手段は限られているので、スカルカタパルトや、ワープファイアスロワーを極度に警戒するよりは、積極的に投入する方が良い結果を得られると思います。
 今版になって追加された「からみつく根」は、短射程の射撃能力ですが、「行進移動」後も射撃が出来るので、攻撃できる範囲は意外に広いです。
 また、マジックを除けばウッドエルフアーミーにおける唯一の自動ヒット攻撃でも有る上に、敵が林に入っていると射撃の(攻)が4から5に上がるので、敵を林に入れさせないと言う効果も期待できます。
 「森の歌」は「アセル・ロゥレンの魔法大系」中、同名のスペルをレベル3で1回(エインシェントなら2回)バウンドスペルを発動させる物で、「からみつく根」と同様に相手を森に入れない効果と、相手のディスペルダイスを使わせる効果も期待できます。(スルーされたらされたで林ごと移動させて貰いましょう)
 「鋼鉄の意志」は基本の(気)が8なので、ピンチをチャンスに変えてくれる事も有りますが、過信して使うとあっという間にやられてしまいます。(エインシェントは、(気)が9になるので、ある程度信頼性がアップします)
 安定して使う為にはアーミースタンダード・ベアラーが必要だと思います。
 それからツリーマンは他のラージモンスターに比べると、移動力がやや低いのですが、アーミー共通のスペシャルルール「森を歩む者」が適用されるので、林を上手く利用すれば、実質的に他のモンスター(ジャイアント等)よりも早く目的地に到達することが出来、また林のカバーを利用して、ウォーマシンの攻撃を避けながら移動することも不可能ではありません。(いつまでも林に閉じこもっていると何も出来なくなるので、射撃のチャンスを1回チャラにする位が良いと思います)
 「恐慌を引き起こす」能力も、期待し過ぎると肩透かしを喰らいますが、これもピンチをチャンスに変える事が有り、私も今まで何度か彼の「恐慌」に救われた事が有ります。
 そしてツリーマンの最大の特徴は、「兵力6」を持ち、5回の(攻)6攻撃を行える事でしょう。
 「兵力」が5以上有るユニットなので、敵の側・背面から突撃すれば、1~2点の「不意打ち」ボーナスを得る上に、敵の「隊列」ボーナスを無効化することが出来ます。
 これにより、敵の戦闘結果の固定値は、「兵力」と「旗」の2点(例外あり)となるので、「不意打ち」ボーナスを差し引くと、1~2ダメージを与える事で、完全な隊列を組んだ歩兵ユニットとも互角の戦いを行う事が出来ます。
 また、(攻)6の攻撃は、ウッドエルフアーミーにおいては、ドラゴンと“樹海の王君”オリオンが持っているのみで、この二つは編入時にロード枠が必要になる為、2000pts未満のバトルでは唯一の(攻)6ユニットとなります。
 他のアーミーリストを見比べてみれば、安定して有効打を与える為に(攻)6の攻撃が必要なユニットが少なからず存在する為、「居ると良い」と言うよりは、時として「居ないと困る」場合が少なくありません。
 また、ロード枠のキャラクターであるツリーマン・エインシェントですが、通常のキャラクターと同じ様に「一騎打ち」やジェネラリティーを使う事が出来るようになるのと、「小妖精」を100ptsまで連れ回る事が出来るようになります。
 私がよく使う組み合わせは、「憂鬱なる糸吐き」×1と「死の小妖精」×3です。
 (気)が9なので、通常はハイボーンをジェネラルとして迎える事が多く、ツリーマン・エインシェントはあまり頻繁には使わないのですが、一騎打ちに当たっては非常に強力なキャラクターになるでしょう。
 総論としては、見た目どおり強くて頼りになるユニットだと思います。
 私としては、1500pts以上のバトルの場合は是非編入する事をお勧めするユニットです。
***
 ミニチュアについてですが、写真右側のモデルは、現行のミニチュアをストレートに組んだ物です。
 やっぱり各所に取り付いた小妖精で派手なアクセントを入れることが出来ます。
 左側のモデルは、旧版から使っている物で、以前に行われた第1回グランドペイントコンテストで、ヤングブラッド賞と、ユニーク賞を頂いた思い出深いモデルです。
 足元で、ツリーマンに立ち向かうスノットリングを見つけることが出来るでしょうか?
 こちらは、ミニチュアが古いことも有るので、主にエインシェントとして使用しています。

2007年7月21日土曜日

第1試合(5~6ターン)




 「野生の七人」が壊走し、”鹿の蹄”のアルドールも追撃する聖杯騎士から逃れる為に疾走していた。
 この日の戦いでアルドールは幾人もの騎士を切り伏せていたが、彼の活躍は「野生の七人」に隠れてあまり目だっていなかった。
 「このまま終われるか。ヴェルーダが見ているんだ。」
 アルドールは押し寄せる騎士達を前に、大振りな両手剣を構えなおした。
 「聖杯の騎士よ!俺と立ち会える奴は居らぬか!?」
 「応さ!」
 アルドールの呼びかけに1人の騎士が飛び出してアルドールに槍を突けた。
 手傷を負いながらもアルドールは剣を繰り出したが、彼の剣は騎士の頑丈な鎧に弾かれてしまった。
 「クソッ!もう一度だ」
 言うが早いかアルドールは再び全速力で走り出し再び足を止めたが、最早彼を狙っているのは聖杯騎士だけではなかった。
 遂にアルドールも殺到する槍に飲まれてしまった。
***
 と言う訳で試合終了です。
 結果は
 ZONOさん 2531  名声点13
 スノット   1459  名声点2
 と言う訳でZONOさんの勝利です。
 また、王様の一騎打ちに関しては
 ルーエン公がオリオンに一騎打ちを申し込んだ 名声点5
 オリオンがそれを受けた 名声点4
 ルーエン公がオリオンを倒した 名声点2
 トータルで
 ZONOさん 名声点20
 スノット   名声点6
 となります。
 これだけ細かいバトルレポートを作ったのは今回が初めてです。
 負けた試合を事細かに説明するのは結構心苦しいのですが、自分のミスを色々と分析する事が出来たので、これを新たな武器にして次の戦いに繋げて行きたいと思います。

2007年7月19日木曜日

第1試合(3~4ターン)





3ターン目
 歩く巨木と言うに相応しいツリーマンは、敵陣の奥深く踏み込み、先程から一団の騎士達と鬩ぎ合っていた。
 「びきり!」
 騎士達を押し留めていたツリーマンの脚に突然大きなひびが走り一気に崩れ落ちてしまった。
 体の奥が朽ちていたのか、はたまたかつての戦いで負った傷が癒えていなかったのか・・・
 一方林の中では”樹海の王君”オリオンと”獅子心王”ルーエン公との一騎打ちが続いていた。
 オリオンの槍捌きは鋭く、何度かルーエン公の急所に槍を突けたが、その槍先は時に公を包み込む霊力に阻まれ、また負わせた傷が見る間に塞がり、未だに手傷を負わせる事が出来ずにいた。
 ひきかえルーエン公の「クーロンヌの剣」は、一太刀一太刀確実にオリオンに深手を負わせて行った。
 いつしか駆けつけたガウェイン卿率いる聖杯騎士の一団が見守る中、遂にオリオンは力尽きて斃れてしまった。
 その頃”楽園の騎士”ヴェイラリオスは騎士達に蹴散らされたグレィドライダーを眺めて呟いた。
 「やっぱりあいつ等じゃあ持たなかったな。」
 そして手にした皆朱の槍を構えて彼の率いるワイルドライダーに号令を発した。
 「槍を構えろ!角笛を吹き鳴らせ!獲物はあの殻をかぶった人間どもだ!「野生の七人」の槍捌きを見せてやろうぞ!!」
 そうしてワイルドライダー達共々、今や彼らに横腹を晒しているカイエン卿の聖杯騎士団に殺到した。
 精強を誇る聖杯騎士達も、「野生の七人」の槍を受けて次々に斃れ、遂に総崩れの態となった。
 「勢いを止めるな!次があるぞ!!」
 ヴェイラリオスは尚も仲間の乗り手に号を発して、聖杯騎士の向こうに展開していた王国の騎士達に突っ込んだ。
 騎士達は一旦持ちこたえる構えを見せたが、ヴェイラリオス達の槍と角笛が引き起こす恐怖の響きに遂に敗走せざるを得なくなった。
 「よし!このまま一気に押し込んでやる!」
 ヴェイラリオスは狩の喜びに燃え立っていた。
***
 ツリーマンは、エラントとの戦いで1点負けとなり、この時点でオリオンのジェネラリティーが使えたので、目標値9以下での「戦意喪失テスト」だったのですが、ダイスがすっぽ抜けて一気に全滅してしまいました。(ここまで無傷だったのですが・・・)
 オリオンは相手が相手なので、一騎打ちになった時点で遅かれ早かれこうなるのはしょうがないと思っていましたが、ルーエン公の多重セーブには参りました。
4ターン目
 勢いに乗ったヴェイラリオスは、次なる騎士の一団に向けて一気に攻め寄せると、まだ若い(人間の尺度でも若かった)騎士達をその槍で瞬く間に蹴散らした。
 「敵はまだいるぞ!奴らも血祭りに上げるぞ!!」
 彼等はその向こうに現れたガウェイン卿率いる騎士達に殺到した。
 しかしながらその突撃は正面から受け止められ、その槍は幾人あの騎士の鎧を貫いて深手を負わせたにも関らず、その勢いは完全に押し止められてしまった。
 聖杯騎士達の振るう魔力を帯びた剣は、ワイルドライダー達が持つ精霊の霊気を切り裂いて、「野生の七人」は1人、また1人と斃れていき、遂にヴェイラリオスは仲間達に撤退の合図を送った。
 「ここまでやられてはもう狩は出来ない。もう引くしかないな。」
 彼は戦線を離れた。
***
 ヴェイラリオスの突撃でエラントを仕留めたのは良かったのですが、アルドールを同時に突撃させるスペースを作って右に寄せてしまった為に、グレイルの横を取れずに正面から突撃をする事になってしまいました。
 またしても冷静さを欠いて判断をミスってしまい、結局此処までがこちらの最後の見せ場となってしまいました。

2007年7月18日水曜日

第1試合(1~2ターン)











1ターン目

 霧が晴れると、オリオンには巨大なヒポグリフ(ルーエン公はビーキュイと呼んでいた)に騎乗したルーエン公の姿がはっきりと視認出来た。
 彼は「鷹の鉤爪」と称される巨大な強弓を左手に握ると腰の箙から槍程もある矢を抜き取り、ルーエン公の駆る巨獣に狙いを定めた。
 普段は横柄で大雑把なオリオンだが、敵を侮るような事はしなかった。
 「まともに渡り合っては手強いルーエン公を相手にするより、まず騎獣を仕留めて足を奪う」心積もりである。
 「びょう!!」と矢走りの音を残してオリオンの弓から飛び去った太矢は、彼の狙い通りにビーキュイの太く長い胴に突き刺さった。
 「まだ止めとは行かぬな。あれ程に大きな的ならゴブリン共を射抜くよりもた易いわ。」
 その頃軍団の左翼に展開していたアルドール前方で飛行するペガサスの騎士に向けて矢を放った。
 彼が放った矢は空中で無数のかけらに別れて騎士達に襲い掛かった。
 「滅びの雹」と言う呪いを込められた矢である。
 アルドールには1騎のペガサスが傷ついて落ちていくのが確認できた。
 一方手傷を負ったビーキュイを駆るルーエン公は、手傷を負わせたオリオンに突進するよりも自軍を撹乱しかねない大鷹に跨る乗り手達を仕留める為に猛然と突撃を仕掛けた。
 乗り手達は傷ついたビーキュイの翼を侮って彼をかわす事をしなかったが為にルーエン公の突撃を許してしまい、その槍とビーキュイの爪の為にあっという間に屠られてしまった。
 そしてアルドールに矢傷を受けたペガサスの騎士達は、前方のヴェイラリオス率いる7人のワイルドライダーに突撃を仕掛けたが、目前でその勢いが尽きてしまった様だ。
***

 ゲームはZONOさんが「淑女への祈り」を捧げる為、私が先攻を頂きました。
 1ターン表は敵ナイトの突撃をギリギリかわす距離を狙って移動しました。
 しかしながらWHRを移動させた際、川の上で移動を終えれば良かったのですが、川の上ではミニチュアの安定が悪かったので、軽い気持ちで川の前に置いてしまった所、ギリギリルーエン公の突撃レンジに捕まってしまいました。

2ターン目

 「あのヒポグリフは傷ついている。今この時に一気に仕留めてしまおう!」
 オリオンの近くに展開していたワイルドライダー達はビーキュイの横腹に突撃を敢行した。
 彼らはビーキュイに更に深手を与えたが、深手に怒ったビーキュイとルーエン公の剣によって返り討ちに遭ってしまった。
 逃げるワイルドライダーを追いかけるルーエン公は遂に彼らを仕留めると、目の前の森の中で矢を番えるオリオンが目に付いた。
 「これはオリオン殿!潔く雌雄を決しようではないか!!」
 ルーエン公とオリオンとは此処で一騎打ちの態となった。
 公の槍はオリオンに傷を負わせたが、オリオンの槍がビーキュイを捉えると、遂にこの騎獣は力尽きてどうと倒れた。
 一方カイエン卿率いる聖杯の騎士団と王国の騎士達は、前面に現れたグレィドライダーに一気に突撃した。
 「ヴェイラリオス!いつも通り俺達は逃げるぞ。後を頼むぜ。」
 グレィドライダー達は、左に位置するヴェイラリオスに叫んだが、ヴェイラリオスの返事は意外な物だった。
 「このままでは奴らに届かん。お前らで騎士達を受け止めろ!なぁにこれは試合だから死にはしねぇさ。ブレトニアの貴婦人の看護を受けて親交を深めてくれよ!」
 「相変わらず薄情な野郎だ!」
 などという暇もなくグレィドライダー達は殺到した騎士の槍に飲まれてしまった。

***
 残り傷2となったビーキュイに止めを刺そうとWD2で突撃したのですが、あっさり返り討ちに遭ってしまいました。
 後で計算すると期待値で言っても2ダメージを与えるのは無理だった様です。
 その後の追撃でルーエン公が調度オリオンの真前に来てしまい、(「迎え撃て!」も不可)重大なミスとなってしまいました。

2007年7月16日月曜日

古の樫の実(第1試合セッティング)




 物見に出ていた”鹿の蹄”のアルドールは霧を掻き分けながら戻ってきた。
 彼は肩をすくめてヴェイラリオスに目配せをしてからロゥレンの主にこう言った。
 「オリオンよ、やはり林は1つしか有りませんな。」

 ”樹海の王君”オリオンが樹海の戦士達を引き連れてエスファンの野にやって来たのは昨夕の事だった。
 一行は軍事演習の前に一堂に会した3国の王を饗する為に”獅子心王”ルーエン公が開いた酒宴に加わった。
 3人の王は軍事演習を前に酒宴に列席しながらも緊張した面持ちだったが、オリオンだけは上機嫌で、”恨みを背負いし者”ソルグリム公が連れて来た(あれは道化師か?とヴェイラリオスはつぶやいた)スタブルと名乗るハーフリングの若者にまで愛想を振りまいていた。
 宴が進んで来た所でルーエン公が3人の王に 「明日の事なのだが、戦場はエスファンの西と東に用意してござる。 カールフランツ殿とソルグリム殿、オリオン殿と某とが手合わせする訳だが、どちらがどの戦場を使うか決めておきたい。」と申し出た。
 正直なところ他の3人はその場を見なければ判断がつかない訳なのだが、オリオンは自慢の強弓を取り出してこう言った。
 「それでは俺が天に向かってまっすぐ矢を射る。落ちてきた矢が俺より西寄りなら我等が西側、東寄りならば東側、これで良いか?」
 他の2人はこの申し出に合意する事にした。
 「東側に矢を落としなさいませ。」
 この話に加わっていたヴェイラリオスはそう耳打ちしようとした。
 ロゥレンから遠くなる西の野では林が少なく、苦戦する事が容易に想像できたからだった。
 しかし、ヴェイラリオスが声をかける前に、オリオンの右手は番えた矢を離していた。
 空高く射込まれた矢はしばらくすると恐ろしい速さで戻ってきてオリオンの西側の地面に深々と突き刺さった。
 (相変わらず人の言葉を聞かぬから困る)
 ヴェイラリオスがそうして落胆の溜息をついたのが一昨晩の事だった。

 林の少ない戦場を選んでしまった事が解ると、軍団にざわめきが起こったが、それを制したのはオリオンだった。
 「林が少ないくらいの事で騒ぐな! こんな事も有ろうかとこういう物を持ってきたのだ。」
 そう言ってオリオンは、腰の袋から1つの団栗を取り出すと案外と器用に自分の矢に括り付けて戦場に発射した。
 すると矢が刺さった場所からは見る見るうちに樹木が生えてきて、しばらくする間に小さな林が現れた。
 「どうだ。古の樫の実をアリエルから貰ってきたのだ。」
 オリオンは得意げにそう言った。
 (東の野を取ってこの実を使っていれば敵軍を林に包めただろうに)
 そう思ったのはヴェイラリオスだけでは無かったかもしれない。
 そうしてとにかく樹海の戦士達は展開を始めた。
 やがて霧が晴れるとルーエン公が誇る王国の騎士団が姿を現した。
 そんな訳で戦場のセッティングです。
 今回4人で2卓を用意してダイスロールでテーブルを選択したのですが、どうも私のダイス目が振るわず、林の少ないテーブルで、なおかつ1人1つづつの追加情景モデルでも林を取る事が出来ず、結局のところウッドエルフのスペシャルルールで持ち込んだも林を1つ置いて、何とか戦場に林が2つの状態になりました。
 アーミーの初期配置は上図のとおりです。
 今回は中央に仕切りを入れ、配置完了までお互いが見えないようにして一気に配置しました。
 接近戦に強いルーエン公に射撃でダメージを与える為、オリオンを離して配置したかったのですが、仕切りを取ってみると、ルーエン公が真前に居り、苦戦が予想されます。
 またスペルジェネレイトは、

 ヴェルーダLv2   1.森の歌
             6.祝祭の先触れ

 ドゥルワウスLv1  2.森の怒り

となりました。

2007年7月15日日曜日

第1試合ロスター公開




 いよいよ第1試合のロスター公開となります。
 第1試合の相手はZONOさんの”獅子心王”ルーエン公率いるブレトニアの騎士達です。
 ブレトニアは、機動性でアドバンテージを取る事が難しいので、今回はドラゴンを投入すべきかどうか悩んだのですが、イントロで主人公各で扱っているオリジナルキャラクター”楽園の騎士”ヴェイラリオスを活躍させてみたかったので、ワイルドライダーを中心とした編成にしてみました。
 ”樹海の王君”オリオンをアーミーに迎えた場合、オリオンは必ずジェネラルとなります。
 また、ワイルドライダーがコア枠に、グレィドガードとスカウトはスペシャル枠に変わります。
 更にウェイウォッチャーは迎える事が出来ません。
 以上のルールが適用されているので、上のロスターは通常の物と少し違いが有ります。
 上手くブレトニア騎士の側面に回り込めればいいのですが・・・

ドゥルワウスの林



 アルドールの協力を取り付けたヴェイラリオスは、新たな戦士を戦列に加えるべくドゥルワウスの林へと出向いたのだが・・・
 ロゥレンの森の中でもアスライが近寄らない場所がある。 今ヴェイラリオスが馬を進めているこの荒ヶ森周辺もその1つだった。
 アルドールを伴って王君の樹林に戻ったヴェイラリオスは、間を置かずにこの林に向かったのだ。
 ブランチレイス(古枝の霊)“とねりこ”のドゥルワウスと彼女の侍女であるドライアド達を今度の戦に加勢させる為だ。 ドゥルワウスは荒ヶ森に近いこの林に居を構えており、この辺りは「ドゥルワウスの林」と呼ばれていた。
 「ロゥレンに侵入者あり」の時にはアスライ達が動くよりも早くドライアド達が侵入者を血祭りに上げるし、また“樹海の王君”オリオンがその大角笛を吹き鳴らし「血の祝祭」に出かける時には彼女達も嬉々としてその残酷な祭りに出かけるのだが、今回のような国軍同士の試合に、気まぐれな彼女達がはたして応じてくれるかどうかヴェイラリオスにも疑問だった。
 とは言えあの木霊達の力が今度の戦いに無くてはならない物だった。
 ヴェイラリオスは今、鎧に身を包んでいた。 何しろ彼女達、特にドゥルワウスは気まぐれで通っていたし、仲間や味方の意識は有ってもアリエルやオリオンに対して主君としての敬意は持ち合わせていなかった。(精霊の中にはあからさまに敵意を抱く者すらある)
 その為に、以前にも彼女を招集しに行ったアスライの貴人がうっかり口の利き方を間違えて八つ裂きにされた事が有るのをヴェイラリオスは知っていた。
 「用心に過ぎたるはなし」
 と言うことだ。
 その昔「裏切り者」として知られるツリーマンの長老コーディルを閉じ込められた荒ヶ森は、妖しげで邪な力の影響を受けて見る者に禍々しい印象を与えるのだが、外周に置かれた結界の外は、ロゥレンの森が本来持つ風景を留めていた。
 ヴェイラリオスが「ドゥルワウスの林」に踏み込んでどれ程進んだ事か、彼の耳にひそひそ話す微かな声が流れ込み、時折誰かがヴェイラリオスを覗き込んでいた。
 鋭敏な感覚を持つ彼にはそれがエルフの娘のである事が感じ取れた。
 もっともそれが本当のエルフでないことはヴェイラリオス自身がとうに解っていた。
 「ドゥルワウスの娘達だな。“楽園の騎士”ヴェイラリオスが訪ねて来たと伝えてくれ。」
 ヴェイラリオスは彼の周りで隠れている娘達に自らの訪問を告げると、間もなくその者達が姿を現した。
 それらはいずれも美しいエルフの様な娘で、彼女達は薄絹を纏ったのみで、着物を透き通してその華奢な体付きが見て取れた。
 確かに美しいが、ヴェイラリオスは彼女達のもう一つの姿を良く知っていた。
 魔力でねじれた禍々しい樹木のようなあの姿を… 娘達は軽やかに笑いながらヴェイラリオスを林の奥へと誘った。
 それを見て彼は小さく長い口笛を吹くと、彼の鎧の下から手のひらに乗るほどの大きさの、蜘蛛の様な奇妙な生き物が這い出してきた。
 その「蜘蛛」はヴェイラリオスが指差した樹にお尻から飛ばした糸をくっつけ、それを見てからヴェイラリオスは、彼女達の後をついてゆっくりと馬を進めていった。
 ドライアド達に誘われて馬を進めると、だんだんもと来た道が解らなくなって来た。
 おそらくもとの道も変わっていることだろう。
 「やっぱりな、糸を残しておいて良かった。」
 ヴェイラリオスは呟いた。
 これがドライアド達の常套手段だった。
 時々旅の求道騎士が武勇伝を残してやろうとロゥレンの森に踏み込む事があるが、そんな輩がドライアド達の美しい姿に惹かれて彼女達の領域に迷い込み、その短い命を(本当に短いが)終える等と言う事は、こうした話にはお決まりの結末だった。
 そうして馬を進めていくと暫くして開けた広間のような場所に到着した。
 ここがドゥルワウスの謁見の間だった。
 ドゥルワウスは奥に立つ樹の枝に腰掛けていた。
 彼女も他のドライアドと同じような「姿」をとっていたが、緑色の髪は木の枝や蔦の様に捩れており、やや赤みを帯びた肌には樹皮が衣とも肌ともつかぬ様子で覆っていた。
 「ようこそ、ヴェイラリオス。 “楽園の騎士”の訪問を受けるとは光栄ですわ。」
 “とねりこ”のドゥルワウスは広間に到着したヴェイラリオスにそう声をかけた。
 「こちらこそ、お目通り叶いまして光栄に御座りまする。」
 ヴェイラリオスは、一見恭しい言葉遣いで返したが馬から下りることは無かった。
 「早速だが、ドゥルワウス。久しぶりに俺に加勢して頂きたい。 この程エスファンの野において4つの国軍の試合があるのだ。 是非にもあなたとあなたの侍女達の力が必要だ。」
 彼は早速ドゥルワウスに用件を述べると、それに対して彼女はこう言った。
 「試合とは悠長ね、このロゥレンが危機を迎えるわけでもないのにあなたの主人の面子を立てる為に私達が出て行く事は無いでしょう? それよりあなたもそんな試合は止めにしてここで私達とのんびり遊んでいきなさいな。」
 粗方予想したとおりの返事であったが、彼も手ぶらで帰るわけには行かなかったし、ましてやこの林で木の精霊達と呑気に時間を潰すつもりは毛頭無かった。
 「悪いが俺はあなたと遊んでいる訳にはいかない。 それに今回の試合は森の存亡に無関係な事では無いのだ。 まあ詳しい事は後でヴェルーダにでも聞いてくれ。」
 彼がヴェルーダの名を口にするとドゥルワウスは少し不快さを表してこう言った。
 「あの女は女王の目付なのでしょ?女王の監視を受けながら戦場に赴くなんて窮屈でしょうがないじゃないの。 あんな女の事を話すのは止めてくださいな!」
 「俺はこれでもオリオンの近衛なのでね、それにあなたの本当の姿を知っている俺はここで享楽に耽る事などできはしないよ。」
 ドゥルワウスが激するかも知れないことを承知で、ヴェイラリオスはこう返すと、案の定ドゥルワウスの緑色に光る目の奥には怒りの炎が燃えるのが見て取れた。
 しかし次の瞬間ドゥルワウスの目には悪戯っぽい光が現れた。
 「そうね、私のような化け物と戯れるのはお嫌でしょうね。でもこういうのはどう? 今からあなたと私がこの爪とその槍とでお手合わせをしましょう。あなたが勝てばエスファンにも一緒に出向いてあげても良くってよ。」
 (ようやくやる気になったか)
 そう思いヴェイラリオスは内心ほくそえんだ。
 槍を持って戦えばヴェイラリオスは誰にも負けない自負を持っていた。
 「良かろう!して場所はどこで?」
 「今すぐ、この場よ!」
 彼に質問を返すが早いか、彼女はその髪を延ばしてヴェイラリオスを絡め取った。
 既に彼女の爪は長く伸び、牙をむいたもう一つの「姿」を現していた。
 「悪く思わないでね。これであなたに勝ち目はないでしょ?」
 勝ち誇る彼女がのど元に爪を当てようとすると、ヴェイラリオスはさっきの「蜘蛛」を呼び出して、ドゥルワウスに向かって糸を吐きつけて彼女をその糸に絡め取った。
 「近頃「糸吐き」を飼っているんだよ。 これで遊びが終わりなんてつまらないだろう?」
 二人は絡まった糸と髪の中でもがきながら、爪と槍とを打ち合わせ続ける羽目になったが、次第にヴェイラリオスの槍がドゥルワウスを掠めるようになった。
 こうして幾度目か槍を付ける内に、とうとう彼女の鳩尾に槍を付けた。
 「どうやら勝負あったかな?良ければこの髪を納めてくれないかな?」
 ドゥルワウスはやや不満げであったが、その髪を元に納めて先程の「姿」に戻ると忌々しげに言った。
 「良いわ、今度はあなたに加勢してあげる。 ひとつ貸しておくわ。」
 そんな訳でヴェイラリオスは、なんとかドライアド達の協力を取り付ける事ができた。
 (戦の前に余計な仕事をしたな)
 ヴェイラリオスはため息をついた。

2007年7月14日土曜日

アルドールの洞(4人の王 イントロ3)


 諸王会議からアセル・ロゥレンに帰還したオリオンと近習達。
 オリオンは早速”楽園の騎士”ヴェイラリオスに軍団の召集を命じるのだった。
 グリスメリー川を渡って灰色山脈に跨るこの樹林に足を踏み入れる事は、“楽園の騎士”ヴェイラリオスにしても珍しい事だった。
 「諸王会議」を終えて王君の樹林に戻った“樹海の王君”オリオンはヴェイラリオスにこう言ったのだった。
 「ヴェイラリオスよ!戦が近いぞ。野生の乗り手達を招集せよ。それからお前の他にも戦士が必要だ。…アルドールが良い!あ奴を呼んで来るのだ。」
 オリオンが戦いの事について行う指図は大抵的を得ていたので、ヴェイラリオスは事これについて異論を挟む事は無かった。
 とはいえヴェイラリオスは心中肩をすくめた。
 (よりによってアルドールとは…難儀な役を事も無げに言う)
 灰色山脈の斜面に沿って樹林を進んでいくと(最早樹林と言うよりは山と言うべきであったが)アルドールが棲家としている洞迄はそれ程遠くは無い筈だった。
 ヴェイラリオスも、また彼に同行していた“歌う者”ヴェルーダも、既に馬を麓に残してこの山道(“道”と呼べればだが)を歩いて登っていた。
 人間の騎士ならこんな時には乗馬の腕前の見せ所とばかりに馬を駆るのだが、大事な相棒である馬に無駄な負担をかけないのがアスライの流儀なのだ。
 アルドールは「ラゥス=クルゥン」とアスライ達が呼ぶ「血族」に属するアスライだった。
 「血族」とは言っても「ラゥス=クルゥン」は他の血族と違って共同で血族としての生活はせず、専ら1人きりであたかも行者の様な孤独な生活を送る。
 この奇妙な生活を送るアスライは、やがて森に生きる他の生き物の能力を取り込む術を習得していくのだ。
 獣の速さで山野を駆け抜け、猛禽の用心深さを身に着けた狩人となる。
 その特別な能力からアスライ達は「ラゥス=クルゥン」を「オルター」(変化)の血族と言う別の呼び名で言い表す事も有る。
 アルドールもそうしたアスライの1人だった。
 どれ程の間登り続けたか、樹林を抜けてアルドールの領域を示す境界石を通り過ぎると、足元に巨石が横たわる松の木に辿り着いた。
 巨石の下には人一人が通れる隙間があり、その奥が拡がって洞穴を形作っていた。
 アルドールは洞穴を留守にしていた。
 そこは清潔には保たれていたが、生活の為に使う粗末な道具や食料が無造作に置かれているのみだった。
 アスライ達は「ラゥス=クルゥン」に連なる彼を「貴人」と呼ぶのだが、この洞を見る限りその雰囲気は感じられない。
 「貴人と言うよりは野人だな。 これは」
 洞の中を覗いたヴェイラリオスはそう言った。
 「あなたも王の林では同じような暮らしをしているのではなかったかしら?」
 ヴェルーダは“楽園の騎士”にそう返した。
 ヴェイラリオスはその言葉に憤慨するでもなくうそぶいた。
 「オウリイェル(ワイルドライダー)はオリオンの近衛だ。ラゥス=クルゥンとは違うさ。」
 「アルドールがどうあれオリオンが彼を望んでいるのよ。多分もうすぐ帰ってくる筈だわ。」
 二人がそこでアルドールの帰りを待っていると、やがてヴェイラリオスの耳に蹄の音が届いてきた。
 ヴェイラリオスがヴェルーダと目を合わせると、彼女もその音を聞き取った様子だった。
 蹄の音に耳を済ませていると、次第に近づいてきた音がはたと止まった。
 「俺達に気が付いたらしいな。」
 彼がヴェルーダに話しかけると、今度は蹄の音が少しづつ遠のき始めた。
 その音を聞き取ったヴェイラリオスは飛び跳ねる様に洞穴を飛び出した。
 今を逃せば俊足を誇るアルドールに対して、馬に乗っていないヴェイラリオスが追いつく術は無かっただろう。
 洞の外に出たヴェイラリオスは、今や走り去ろうとするアルドールに大声で呼びかけた。
 「待て、アルドール!“鹿の蹄”のアルドールよ!!」
 ラゥス=クルゥンへと「変化」を遂げたアルドールは、エルフであってエルフではない。
 全身にうっすらと体毛を生やし、顔には頬髯と呼べる程にもみ上げをのばしていた。
 そしてなんと言っても目を引くのは、オリオンの様に、鹿の蹄に「変化」した両足だった。
 彼は呼びかけられると、その足を止めて彼の方に振り向いてこう言い放った。
 「なんだ、誰かと思えばヴェイラリオスじゃないか。何をしに来たか知らんが俺は付き合わんぞ、あんた1人で帰ってくれ。」
 「いきなりご挨拶だな。オリオンがお前をお呼びなのでわざわざこうして来たんだぜ。」
 ヴェイラリオスがそう答えるとアルドールはそのままの姿勢で言った。
 「オリオンが俺をお呼びと言う事はまた戦か? 戦は御免だ。俺は戦が嫌いだ。」
 「いや、確かに戦は戦だが、エスファンの野で4つの国軍が試合をするのだ。」
 ヴェイラリオスがそう答えると、またアルドールは口を開いた。
 「なんだ、試合か? お遊びならなおの事俺が付き合う必要は無いだろう?」
 (こいつ、俺のような事を言いやがる)
 ヴェイラリオスは内心そう思った。
 どうもこのままでは埒が開かぬ様子であった。
 「お久しぶりね。“鹿の蹄”のアルドール。」
 じりじりと苛立ちを募らせるヴェイラリオスの後からヴェルーダがアルドールに向けて声をかけた。
 その声にアルドールは目を向けたが、ヴェイラリオスはその目の色が自分を見る目とは明らかに違っている事に気が付いた。
 「お、ああ、ヴェルーダ。あなたも来ていたのか…」
 アルドールは何やら照れくさそうに、ややぎこちない返事でヴェルーダに応じた。
 (何だ?こいつはヴェルーダを好いているのか?それにしてもまるで年端も行かぬ子供のような応対だな)
 ぎこちないアルドールにヴェルーダは続けた。
 「オリオンは今度の試合にはあなたが必要だとおっしゃっているのよ。 私もあなたが来るならすばらしいと思うわ。」
 ヴェルーダにそう言われたアルドールは、暫く考えている様子だったがこう返事をした。
 「お遊びかもしれないが、久々に“樹海の王君”と共に戦場に赴くのも良いかもしれないな。 ましてやあなたがそれを望むのなら。」
 アルドールはあっさりとその頑なな態度を翻してしまった。
 「待っていろ。今支度をする。」
 そう言ってアルドールは洞に戻っていそいそと支度を始めた。
 「アルドールがヴェルーダに気が有るとは意外だったな。」
 ヴェイラリオスは、頑固者があっさり言う事を聞いてくれたので、安堵しながらヴェルーダに話しかけた。
 「ああ、その事なら前から知っていました事よ。」
 ヴェイラリオスの言葉にヴェルーダは微笑を浮かべながら返した。
 「すると、あんたがどうしても同行したいと言ったのはその為か?」
 ヴェイラリオスがそう聞くと、ヴェルーダは軽くうなずいた。
 ヴェイラリオスはなんだかアルドールが不憫に思えてしまった。

2007年7月12日木曜日

ドラゴンを作ってみよう 6日目(収納ボックス)









 ペイントばかりでは飽きてしまうような気がしたので、今日はちょっと脇道にそれて収納ボックスを作る事にしました。
 このドラゴンはベースを作る際にナットを仕込んでいた訳ですが、これを固定し、安全に運搬する為の箱を作ります。
 このドラゴンのサイズから行くと、100円ショップ等で売っているちょっと大き目のCDケースで間に合うのですが、他にもミニチュアを入れたい都合が有ったのと、不透明の箱にして、箱から大物モデルを出した時のインパクトを狙い、今回はホームセンターでツールボックスを買ってきました。(写真最上段)
 大き目の箱なので、勘で選んできましたが、きっちりした大きさの物が欲しい場合は、事前に寸法を確認しておくべきでしょう。
 また、箱の底面にボルトの頭が突出する形になるので、底面の足が高い物を選ぶと良いでしょう。
 この箱の底面にボルトを通す穴を開ける訳ですが、適当に開ける訳には行かないので位置出しをします。
 箱の中にミニチュアを置いて調度良い位置を決めて、ベースの四隅の部分にマーキングをします。
 ナットはベースのど真ん中に仕込んであったので、このマーキングの中心に開口すれば、正しい位置にボルト穴を開けることが出来ます。(写真2、3段目)
 最も透明のCDケースなどの場合は、単純に裏から穴の位置を確認できるので、はるかに簡単に開口できるでしょう。
 ボルト穴の開口は、ベースに穴を開けたのと同じ6㎜の刃を大工仕事用のドリルで開けています。(写真4段目)
 ボルトで固定したのが5、6段目の写真です。
 ベースの下に見えるのはスペーサーに使った厚紙です。
 ボルトが長い場合はボルトを切れば良いのですが、結構面倒な上に方法によっては危険が伴う事が有るので、小さな隙間ならばスペーサーで対処した方が良いでしょう。
 完成後は最下段の写真の様に、逆さにしても落ちる事はありません。(過信するのも危険ですが・・・)
 コンパクトな箱にすれば、ホビーセンターの様な戦場にも手軽に持ち込めるようになります。

憂鬱なる諸王会議(四人の王イントロ2)



 ”獅子心王”ルーエンの招きに応じてエスファンに出向いた”樹海の王君”オリオンとその近習達であったが・・・

 「これがあのオリオンか…」
 “楽園の騎士”ヴェイラリオスは隣りに座した“樹海の王君”オリオンを横目に観ながら心中そうつぶやいた。

 来るべき大いなる災厄に備えるべく、ブレトニア国王“獅子心王”ルーエン公がケンネル公領はエスファンの野に程近いこの古城において開いた諸王会議は、既に今宵で7日目の夜となっていた。
 既に城としての用を成さず、打ち捨てられていたこの城は、3週間前から慌ただしく大掃除が行われ、辺りの農民達を村ごと一時使役に駆り出して、この城の周囲はこの10日前から無人地帯となっていた。
 この古い城砦に帝国皇帝であるカール・フランツやドワーフの至高王“恨みを背負いし者”ソルグリムが、自国を留守にして出向いている事を、他国に知られる訳には行かなかったし、巨大で恐ろしいウッドエルフの王“樹海の王君”オリオンが農民達の目に触れれば、恐れおののいた農民達がどの様な騒動を起こすか知れたものではなかった。
 周りに人が少ないこの城を選んだのは、ルーエン公と側近達の苦心の賜物だった。

 当初ルーエン公は城内の礼拝所にテーブルを据えたのだが、初代皇帝シグマー・ヘルデンハンマーを天主としたシグマー教を国教とする、皇帝カール・フランツは他国の神の前での会議を良しとしなかったし、至高王ソルグリムが「これ以外に腰を下ろしてはならぬと」累代の祖先から厳命され、4人の屈強なドワーフに担がれた巨大な玉座は、そもそもこの礼拝所の入り口を通り抜ける事は出来なかった。
 大いなる災厄に備えて一刻も時が惜しいルーエン公は「それではソルグリム殿、皆立って会議を…」と言いかけたその言を胸に押し留めた。
 そんな不用意な一言で、ソルグリム公が片時も離さぬ「大いなる怨恨の書」に新たな1行を書き加えられてはたまらないからだ。
 そんな訳で会議のテーブルは急遽中庭に張られた大きな天幕の中で行われる事となった。
 始めの内、ヴェイラリオスはこうしたやり取りを眺めて面白がっていた。
 (権威にとらわれた者は、時として滑稽だな。)
 そういうことである。

 結局“樹海の王君”オリオンは、皇帝カール・フランツが土産に持ってきたオウガの傭兵隊長が使う大きな椅子に腰を据えて会議のテーブルに列席する事となった。
 「帝国皇帝と言う奴は案外まめな男だな。」
 ヴェイラリオスは同じくオリオンに付き従っていた“歌う者”ヴェルーダに話しかけたものだ。
 そうして会議の幕を開けたのが7日前の朝の事であった。
 4国の連合軍が、南下を始める前の敵軍をエンパイア国境よりも北で迎え撃つと言う事については初日の昼前に全員が同意をしていたが、その連合軍の総指揮を誰が取るかで4者の主張が分かれてしまった。

 ルーエン公は、会議を主催した自分が指揮権を握るのが当然だと思っていた様だ(最初に他の王から反対意見が出た時には、その驚きを表に出さぬ様に随分と辛抱を強いられた様子だった)。

 人類を統率する者としての自負を持つ帝国皇帝カール・フランツは、ブレトニア軍の指揮下で動く事はプライドが許さなかったし、4つの連合軍の中で最大の兵を動員するのはエンパイアであった。
 そんな訳で皇帝カール・フランツは兵士の数から言って自分が全軍の指揮を執るのが正当だと主張して譲らなかった。

 ドワーフの至高王ソルグリム公はそもそも「年端の行かぬ」人間達に指揮権を委ねる事など思いもよらぬ事だった(齢90と言われるルーエンでさえ、彼の孫娘よりも年下なのだ!)。

 3人の王は互いに主張を曲げず、会議は平行線をたどった。
 3者が意見を主張しあう中、“樹海の王君”オリオンは新しい椅子(この座り心地についてはオリオンも満更ではなかった)の革張りの肘掛に左肘を立て、頬杖を突きながら目の前の会議を傍観し続けていた。
 オリオン自身にとっては、自らが率いて戦う戦士はアスライと精霊だけで十分だったし、誰が連合軍を率いても構わないと思っていた(その誰かの言う事を素直に聞くかどうかはオリオン本人にも自身は無かったが)。
 アスライや森の精霊が疲れることはそうそう有ることでは無いが、オリオンにとっては、ただひたすらテーブルを囲み同じ話を延々と続ける事は苦痛以外の何物でもなかった。
 時折3人の王の1人がオリオンに意見を求める事も有ったが、オリオンはその度に 「真に相応しき御仁が全軍を統べるのならば、俺は死を恐れずに戦ってご覧に入れる。」(「どうでも良いから早く決めろ」と返すのはヴェイラリオスの忠告を聞いてかろうじて抑えた)
 と答えるのみで、そうするとまた「如何に自分こそはその役目に相応しい人物であるか」を3人が3様に主張を繰り返すのだった。
 そんなやり取りを繰り返して今や7晩目の夜も更けて行こうとしていた。
 延々と続く会議に精強な3人の王も疲労の色を隠せなかったし、敬愛する皇帝に泣いて詫びながら右手が動かなくなってしまった書記官が担架で運ばれていくのを見るのは既に3回を数えた。
 普段ロゥレンの森を奔放に走り回っているオリオンは、すっかりうんざりしていた。
 それを横目で見ていたヴェイラリオスには、巨体を誇る“樹海の王君”が一回りも小さくなってしまった様に見えたのだった。

 既に何度繰り返したか解らない(書記官だけは必死に記録していたが)遣り取りがまたも繰り返されようとした時、“獅子心王”ルーエン公がその台詞を口にした。
 「誰も主張を譲らぬのであれば、各々が互いに戦ってその相応しきは誰かを決めれば良いではないか!?」
 口にした一瞬後、ルーエン公は思わず顔を顰めてしまった。

 同盟を求めて会議を開いたと言うのに、互いに戦をしようなどとは…

 その場の空気が凍りついた瞬間だった。
 (やれやれ、同盟の前に同士討ちか?混沌の暗黒神がさぞ喜ぶ事だろうな)
 ヴェイラリオスは内心苦笑したが、次の瞬間隣の席で椅子が倒れる大きな音がした。

 「“獅子心王”ルーエン殿の言や良し!!」

 普段の活気を取り戻し、周りの雰囲気にも関らず嬉々としてルーエン公に同意を表したのは、他ならぬオリオンだった。
 「武人たる者、その相応しきは戦にて決めるのが正しき道理ではないか!」
 始めはルーエン公の発言に態度を決めかねていた2人は、意気揚々とまくし立てるオリオンの勢いに図らずも同意した。
 正直な所その場にいた全員が主張の堂々巡りに疲れ果てていたので、この目先の結論に向かって一気に流れていったのだった。

 互いに「刃を交える」とは言え、本当に互いの兵を傷つけ合っては敵を利する事に他ならなかったので、傷ついた兵を治療する為に国中からダムゼル達を招集する事となった。
 召集の為に更に1月を要すると言う事で、四人の王は1月後に再びエスファンに集う運びとなった。

 会議に出席していた将軍や諸侯達は、7晩目の終わりを告げる朝焼けの中で疲労や安堵が混ざり合った奇妙な表情を浮かべて他国の貴族に再会を祈る旨の挨拶を交わしていた。
 オリオンはそんな諸侯の心中を察する事もなく、彼にしては極めて珍しい上機嫌で再会の礼に応えていた。

 「結局この御仁は、戦場を駆け回る事が出来ればそれで良いのだな」
 オリオンを横目に見ながらヴェイラリオスは小さく呟き、そして何苦笑とも付かぬ表情を浮かべてヴェルーダに言った。

 「まあ…こういうオリオンは嫌いではない…」

2007年7月11日水曜日

ドラゴンを作ってみよう 5日目(各部塗り分け)


  夜勤等が続き作業が滞っていましたが、今日は実働5日目となります。

 前回ベースの濃緑色を流し塗りして全体を緑にしたので、今回は大まかに各部を塗り分けて行きます。
 最初に歯や角を塗るつもりでしたが、歯を塗ってから口内を塗るとはみ出し→リカバリーの手間が多そうなので、最初に口内から塗ることにしました。
 口の中はメーカーの作例では体表と同じ緑系に塗られています。
 蛇や蜥蜴の中には青い舌を持つ者も居るので、これはこれで有りかと思うのですが、感覚的にしっくり来なかったので赤系で塗ることにし、ベースカラーとしてDark Fleshで塗りました。
 続いて歯、爪、角と言った部分です。
 今回は手軽に仕上げる事を目標の1つとして考えているので、全てを同色のGraveyard Earhをベースカラーにしました。
 これを後でBreached Boneに上げていくつもりですが、途中でハイライトの方向を変えてアクセントを付けてやろうと思っています。
 目の色は体色との対比を考えて、やはり赤で行きたいと思い、Blood Redで塗っておきました(写真上段)。

 このドラゴンは旧版のモデルとほとんど同じ意匠なのですが、全身に蔦や小妖精がまとわりついています。
 これを塗り分けると一気に完成に近づくのですが、小妖精は後で色味を調節する為に残しておきたかったので、今日は蔦だけを塗ることにしました。
 実際に蔦の写真をネットで探した所蔓の部分はかなり黒いので、Scorched Brownで塗りました。
 このミニチュアはかなり入り組んでいる上に蔦はあちこちに回り込む様になっているので、塗り残しが無いか逐次確認します。
 それでも他の作業をしている時に塗り残しを見つけてしまったりするのですが、後でまとめて直そうと思うとまた忘れてしまったりするので、その都度塗ってやるのが結局の所手っ取り早いようです。
 蔓が塗れたら葉っぱを塗ります。
 葉っぱは緑で塗るのですが、基本の体色を緑にしたので、同じような色では埋没してしまいます。
 そこで葉っぱは同じ緑でも色調を変えることにして、ちょっと明るいのですが、ベースとしてSnot Greenで塗りました。
 同系色でも違うトーンになったので、なかなか良いアクセントになったと思います。
 今回は同系色ですが、緑の体に赤や黄色の葉っぱも良いかも知れません。(写真下段)

 今日はこんなところですが、次回は角、歯等のグラデーションや、小妖精を塗って行こうと思います。

樹海の戦士その10 ウッドエルフ・ハイボーン/ノーブル(ワイルドライダーの血族)


 今回は強力なキャラクターである「ワイルドライダーの血族」に属するウッドエルフ・ハイボーンとノーブルを紹介しようと思います。
 ハイボーンはロード枠、ノーブルはヒーロー枠を使って編入するキャラクターで、追加ポイントを払う事で「ワイルドライダーの血族」に属するキャラクターにすることが出来ます。
 「ワイルドライダーの血族」のキャラクターは、初期装備していたロングボゥを捨ててライトアーマーとスピアが強制装備となり、騎乗オプションで必ずエルフスティードか、グレイトスタッグのどちらかを選択しなければなりません。
 またユニットのワイルドライダーが持っているスペシャルルールが全て適用されます。(「クルノス神の怒り」「血の祝祭」「森の精霊」「護りの紋様」)

 前回も書きましたが、ウッドエルフのキャラクターは(耐)の値を除けば比較的優秀な能力値を持っています。
 特にハイボーンなら(気)が10(ウォーハンマーでは最高値)も有るので、ジェネラルとしては最有力候補と言えるでしょう。
 加えて「ワイルドライダーの血族」のキャラクターは「心理ルール無視」が適用される為(「森の精霊」に含まれる)、突撃リアクション「逃走」を選択出来なくなりますが、肝腎な所でパニックしてしまう等の心配が無いので安心して運用できます。
 また5+の精霊セーブと「護りの紋様」による6+ワードセーブがマジックアイテムのポイント制限外で得られる為、他のマジックアイテムを組み合わせる事で(特に「樫の鎧」が高い効果を発揮します)高い防御力を誇ります。
 ただし「森の精霊」を持つキャラクターは「森の精霊」ユニットにしか合流できない為、足の速さを考えると合流できるユニットは事実上ワイルドライダーのみとなります。
 ユニットの構成人数が少ないので、ウォーマシンに狙われるとかなり危険です。
 無理に構成人数を増やすよりは、足の速さを利用して敵の視界外に逃げるか、ドライアドでスクリーンを張る方が良いでしょう(それでもキャノンは防げませんが・・・)。
 それから所持できるマジックウェポンがマジックスピアのみという制限が有ります。
 ウッドエルフアーミーのマジックスピアは、「暁の槍」と「黄昏の槍」の2つが存在します。
 「暁の槍」はこの槍で傷を与えたユニットにヒットロール-1のペナルティーをもたらす物で、敵ユニット内のどの兵に傷を与えても、ユニット内の全ての兵にこのペナルティーを与える為、味方全体の生存率を上げるのに役立ちます。
 フレーバーテキストにも有りますが、”樹海の王君”オリオンの様な大将を護るのにも威力を発揮します(一騎打ちにも影響します)。
 この武器を使う際は、堅い敵キャラクターとの一騎打ち等は他のキャラクターやチャンピオンに任せて、少しでもダメージを与えやすい兵を狙うべきでしょう。
 一方「黄昏の槍」は、キャラクターに「必殺の一撃」の能力を付与する物で、「暁の槍」とは逆にセーブの堅い相手をターゲットとして、時には一騎打ちを担当するキャラクターとなるでしょう。
 「クルノス神の怒り」のスペシャルルールは「必殺の一撃」とは比較的相性が良く、突撃後の戦闘でもキャラクターの殺傷力を維持する事が出来ます。
 2つのマジックスピアは、それぞれ役割が異なるので、編成時に使い方を考えておくと良いでしょう。
 私はノーブルをジェネラルとする場合は「樫の鎧」で生存率を上げるのみとし、ハイボーンをジェネラルに据える場合は「黄昏の槍」を持たせる事が多いです。
 またジェネラルの副将として、ノーブルを編入する場合は、「暁の槍」を持たせる事が多いです。
 また、騎乗オプションに有るグレイトスタッグ(大牡鹿)ですが、この大鹿も「森の精霊」である為、5+の精霊セーブを持っています。
 攻撃力はそこそこ強力ですが、あくまでも(耐)4でアーマーセーヴィングも無いのでいざ攻撃を受けると脆い為、タリスマン等で防御力を上げられないノーブルでは分不相応だと思います。
 ハイボーンが騎乗する場合でも、完全な防御は難しいので、タリスマン等は最低限に留め、攻撃力を上げて反撃を抑える戦い方がポジティブだと思います。
 またグレイトスタッグは、□50㎜ベースに乗っているのでユニットの中心にキャラクターが陣取ると、ベースコンタクトの関係で他の兵の攻撃の機会を潰してしまう事が有ります。
 これを防ぐ為に、ユニットの左右どちらかの端に位置取ってコーナーでベースコンタクトすれば、最大限の攻撃力を発揮できると思います。
 総括として基本的な性能、性格はユニットとしてのワイルドライダーと同じで、少ないチャンスを見極めて槍をねじ込むと言った戦い方が必要かと思います。
ミニチュアについてですが、写真の中央のモデルは現在「ウッドエルフロード/グレイトスタッグ騎乗」として販売されているモデルで、乗っているハイボーンの槍、兜飾り、鹿の角等に手を加えています(ノーマルの状態の角は、角度のせいも有ってなんだか牛みたいです)。
 左右の馬に乗っているモデルは、ワイルドライダーやグレィドライダーのパーツからコンバージョンした物です。
 「ウッドエルフロード/騎乗」と言うモデルも有りますが、デザインがややケイオスナイトに似ていて、またワイルドライダーに比べるとちょっと「ワイルドさ」に欠ける気がして自分で作る事にしました。
 モデリングする際は色々とオリジナリティーを出すことが出来て、楽しいミニチュアでした。