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―ウィドリオス 松の崖―
フィンドル公とイヴリン夫人の治める領域
松の崖は灰色山脈のドワーフやグリーンスキンからの脅威にさらされている土地である。
外から見たときにその急斜面はアセル・ロゥレンの他の場所と比べても、さほど守りが固いようには見えない。
侵入者が松の崖が大きな砦である事に気づくのは、その麓まで到達したときだけである。
エルフ達は、そびえる樫や岩やそこに絡みついた棘が延々と連なるこの地形を天然の砦としている。
地下に入り組んだ根を補強して作った迷路のような回廊は、それらの拠点をつないで、グリーンスキンの勢いに乗りきった「グァーグ!」さえも退ける、単一の生きている砦となっている。
多くの名将がこのウィドリオスの樹林で最期を遂げた。
なぜならばこの砦は、侵入する事よりも脱出する事がはるかに困難であるためだ。
フィンドルと彼の部下はそれら侵入者を残虐な方法で止めを刺すことに喜びを感じている。
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この「松の崖」は6版アーミーブックでは「松ヶ岩」と表記されていましたが、原文では(Pine Crags)という言葉なのと、内容的にも岩というよりは崖地のようなので、表記を変える事にしました。
ここの君主のフィンドルは6版アーミーブックのマジックウェポンの「精霊の剣」(性能は変わりましたが今回も残っています)の背景説明の中で、刀鍛冶デイスに精霊の剣の製作を依頼したものの、出来栄えにケチをつけて代金を払わなかったためにデイスの怒りを買って仲間の精霊達に屋敷を取り囲まれて渋々代金を払ったとの記述が有ります。
ただしその時の記述は「フィンドル夫人」なので、もしかすると奥方のイヴリンの事かもしれません。
この刀鍛冶のデイスも後の背景設定に登場します。
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