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2007年8月7日火曜日

秘密の回廊を抜ける(第2試合1~2ターン)








**1ターン目
 オリオンの大角笛が進軍開始の合図を告げると、樹海の戦士達は一斉に歩き、走り、飛び立った。
 しかし”黄金龍”ナルスを駆るイヴェリオンは林の中をゆっくりと進んでいた。
 ナルスが林の中程に差し掛かると、イヴェリオンは懐から紐に括られた1つの宝石を取り出し、それを左目を瞑り、右目のみで覗き込みながらナルスに言った。
 「良いかナルス、目を閉じて俺の指図どおりに歩を進めろ。慌てて駆ける必要は無い。」
 そうしてイヴェリオンはナルスを慎重に誘導して言った。
 アセル・ロゥレンを出発する時に女王アリエルに頼み込んで押し頂いてきた「隠し道の月光石」だった。
 これを預ける時にアリエルは彼にこう言った。
 「林に足を踏み入れたら、月光石を通して見る物にだけ従うのじゃ。己が目を当てにしてはならぬぞえ。そしてそこで見たものを決して他人に話してはならぬ。」
 事実月光石を通して見る世界は、日頃イヴェリオンが目にする世界とは全く違っていた。
 「他人に話すなと言われても、こんな景色は話し様が無いな。」
 そう呟きながらイヴェリオンが歩を進めると、月光石の景色が突如普段の景色に戻った。
 そして木立の隙間を通して見えるものは突然のドラゴンの出現に驚くドワーフ達の砲陣地であった。
 ドワーフの砲兵達は慌ててナルスに砲火を浴びせたが、慌てて手元が狂った所為か、その砲撃は巨大なナルスの体をそれてしまった。
 「ハハハハ、小人共が慌てふためいておる。今日は良い狩日和となりそうだぜ。」
 一方他の戦線でもアセル・ロゥレンの兵達に対して猛烈な砲撃が浴びせられたのだが、ツリーマンにかすり傷を負わせた意外は、殆ど被害を与える事が無かった。
 「連中、昨晩深酒が過ぎたようだな。」
 こう言ったのは”鹿の蹄”のアルドールと共に敵陣へ疾走していた”樹海の王君”オリオンだった。
***
 序盤から今回の秘密兵器(ロスターは公開していますが)「隠し道の月光石」を持ったイヴェリオンが自軍側から敵陣側の林に瞬間移動しました。
 元々はアンヴィル対策で使ってみたのですが、普通のウォーマシンにも有効なようです。
 肝は続く敵側ターンで射撃に耐える事なのですが、幸い(天さんにとっては不幸にも)ウォーマシンの出目がすこぶる悪かった為、1ターン裏までほぼ無傷で大幅に敵陣に接近する事が出来ました。
**2ターン目
 敵の苛烈な射撃をかわしたイヴェリオンとナルスは、咆哮を上げて遂に間近に陣を張る「フレイムキャノン」と呼ばれる火炎砲に向かって突撃仕掛けると、ドワーフの射手達は恐れをなして逃げ出してしまった。
 しかし勢いに乗ったはずのイヴェリオンは舌打ちをした。
 ナルスがソルグリム公率いる親衛隊に横腹を晒している事に気が付いたのだ。
 「このままではまずい」と思ったイヴェリオンは、近くに隠れる斥候隊に叫んだ。
 「森の東に並ぶ砲を黙らせろ!オリオンが狙われているぞ!」
 イヴェリオンの声を聞いて森から踊り出た斥候隊は、巨大な玉座に鎮座するソルグリム公を担ぎ上げた親衛隊と鉢合わせになってしまった。
 親衛隊はこの突如現れた斥候隊を見逃す事も無く、彼らに襲い掛かった。
 森から駆け出した勢いに乗ったままの斥候隊は、あっという間にソルグリム達に討ち取られてしまった。
 「普段は役に立たん奴らだが、俺の盾になるくらいの仕事は出来るようだな」
 討ち取られる斥候隊を横目で見ながら、イヴェリオンは呟いた。
 しかしそのイヴェリオンにはドワーフの総力を挙げた射撃が集中した。
 ナルスのわき腹には大石弓の大矢が突き刺さり、イヴェリオンの体も別の大矢が突き抜けたが、その傷は矢が突き抜けると、彼の魔法の鎧の力を持って、すぐさま塞がってしまった。
 傷は即座に癒えた物の、イヴェリオンはその激痛にうめきこう叫んだ。
 「小人風情がこの俺に傷をつけやがったな! 鷹乗り共は何をもたもたしていやがる!さっさとあの大石弓を黙らせろ!!」
***
 2ターン目早々にフレイムキャノンを屠って、「猛進」を利用して敵の裏に抜けるつもりだったのですが、フレイムキャノンは「戦闘準備」を選択したにも拘らず「恐慌」判定に失敗して逃げ出し、マシンで足止めを食ってしまいました。
 このままではソルグリム公に捕まる為、スカウトを前に出して突撃を妨害することにしました。
 スカウトは「逃走」で逃げ切るつもりでしたが、逃走距離が伸びずにつかまってしまいました。
 まあイヴェリオンを殺られてしまうよりは、はるかに良いでしょう。
 そしてマスターエンジニア合流のキャノンに狙われて非常に危険でしたが、またも天さんの出目に救われてミリ単位で砲弾をかわす事が出来ました。
 至近射撃では距離の読みよりもダイスの出目の影響が大きい様ですね。

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