ロゥレンの森は、オールドワールドの中でも気候が穏やかであったが、この樹林も雪に覆われて今やロゥレンの森は冬の装いとなっていた。
そして冬至を迎えた王君の樹林では大きな焚き火が焚かれ、”樹海の王君”オリオンの入滅の儀式が執り行われようとしていた。
”楽園の騎士”ヴェイラリオスは、主君オリオンと女王アリエルに伴ってこの焚き火を囲む輪に加わっていた。
オリオンはあの強力な生命力を失い、ヴェイラリオスや他のオゥリイェルの戦士達の支えを受けて、ようやく歩を進める有様だった。
ヴェイラリオスはオリオンに話しかけた。
「オリオンよ、今年は何故だか嬉しそうに見えますぞ。」
オリオンは息も絶え絶えの態であったが、何故か満足そうな笑みを浮かべていた。
「おう、今年はよく戦った。最もお前には苦労をかけた様だがな・・・」
「全く苦労致しました。それにしてもあの意地っ張りの王様達と来たら飽きれたものでしたな。」
ヴェイラリオスはオリオンにそう返した。
エスファンで行われた試合の後、帝国皇帝カールフランツが演習の勝者となったのだが、カールフランツは敢えて連合の指揮権を握る事を良しとしなかった。
今度は他の王達も指揮権を主張せずに、結局四つの軍は個々の連携をもって混沌の軍勢と当たる事となった。
「なんでわざわざ6回も試合をしなければ結束する事が出来んのだろうな?」
会議に出席していたヴェイラリオスは、隣りに座ったヴェルーダにそんな耳打ちをしたものだった。
そうして改めて組まれた連合軍は北へ向った訳だが、四王連合軍は、結局混沌の軍勢を進軍のはるか手前で蹴散らしたのだった。
「今にしてみれば、エスファンの試合に比べたら混沌の軍勢との戦いは肩慣らしのようなもので御座いましたな。」
ヴェイラリオスは思い出しながらそう言った。
するとオリオンは改めてニヤリと笑うと楽園の騎士にこう言った。
「そう、それよ。6回も試合をして各々が友軍を理解しあったからこそ巨大な敵を打ち負かす事が出来たのだ。試合をせぬまま北に向えば王の何人かは命を落としていたかも知れんな。」
それを聞いてヴェイラリオスはハッとしたのだった。
そしてオリオンはヴェイラリオスに再び笑いかけると、最後の力を振り絞り燃え盛る炎の中に我が身を投じた。
オリオンを焼きつつ更に大きく燃え上がる炎を見ながらヴェイラリオスは女王アリエルに問うた。
「グィネヴィアが陛下を尋ねた時に、陛下はオリオンが自ら出向く様私にお命じになりましたな。こうした結末を迎えることを予見しておられたのですな?」
女王アリエルはヴェイラリオスの問いにうなずいてこう言った。
「結局わらわの考えを誰よりも深く知る者は、我が君オリオンなのじゃ。」
そうして炎を見つめるアリエルの頬に涙がつたった。
オリオンの死と再生は毎年の事だが、普段涙を見せる事の無い女王アリエルは毎年この時だけは涙を流すのだった。
やがて空も白み始める頃、オリオンを焼いた焚き火は灰となった。
***
そんな訳で4人が集まって行ったこの企画も遂にエンディングを迎えました。
強力なスペシャルキャラクターを相手にしての戦いはなかなか厳しい物でしたが、それだけに面白いゲームを楽しむ事が出来ましたので、今回この企画をご覧になった方も是非やってみて欲しいと思います。
それから今回戦ってくれた、天さん、ZONOさん、Sinさん、どうもありがとう御座いました。
3 件のコメント:
お疲れさまデシタ!&レポートご苦労様^^
図面を使ったレポートのスタイルは
ゲームでの軌道をシッカリ考えてプレイする
スノットさんらしくてナイス!でしたヨ♪
また色んな場所で対戦する機会があると
思うんだけど、是非!技術者組合の
リベンジ?には付き合って下さいナ^^
お疲れさマッスルです!!
すごく楽しい時間をありがとうございました。
エンディングもすごくイイですw 僕だけかもしれませんが、この6回の試合の“意味”のように、僕自身も、試合の前と後とでは何か変われたような気がします。ゲームの楽しさ、背景を考える楽しさ、そして何より、素敵な趣味人の皆さんと交流を深められたこと・・・いっぱいイタダキましたw
これからは、ペイントばっかりじゃなくって、遊びに出ようと思ってますので、対戦してくださいです!
また何か楽しげなことがあったら、一緒に遊びましょう!!
>天さん
天さんもお疲れ様でした。
今回は4人が各々のレポートを提供できたかな?と思っています。
今回はオリオンとイヴェリオンがお相手しましたが、まだ”楽園の騎士”ヴェイラリオスや”老将”エルヴァリオン、”白樺”のザイ=モゥグなどが控えています。
今度は彼らも使ってみたいと思います。
>ZONOさん
ZONOさんもお疲れさマッスルです!
冬を持ってくるのは土壇場で考えたのですが、オリオンのキャラクター性を表現するのには良かったと思っています。
今回はいつもとは一味違う戦いを味わう事が出来ました。
また色んな舞台で楽しんで行きましょう。
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