ちょっと更新の時間が空きましたが、旅行記録の続きです。
明日香村から帰って翌日、当日はあさ8時前に宿を出て奈良市西ノ京町にある薬師寺に向かいました。
薬師寺の本尊は薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)、脇仏の日光菩薩(にっこうぼさつ)と月光菩薩(がっこうぼさつ)の薬師三尊で、明治期の美術行政に大きな役割を果たした岡倉天心が「薬師寺の薬師三尊像をまだ見てない人は幸せだ。始めて見た時の感動をこれから味わうことが出来るのだから」という言葉を残しており、僕もいつかは観に行こうと思っていたところでした。
そんな訳で、すこしワクワクしつつ車を走らせると、1時間弱で薬師寺に到着しましたが、東大寺ほどではないにせよ非常に敷地が大きいお寺で、駐車場を探すのにちょっとてこずりました。
幸い非常に立派な駐車場があり、そこから境内に歩いていくうちに休ヶ丘八幡宮という神社が建てられていました。↓
説明書きによると、薬師寺に参拝する前にここにお参りするのが慣わしだそうです。
という訳でここにお参りをしてから中を通り抜けると、狭い道路を渡って薬師寺の山門に到着しました。↓
山門の向こうに見えるのは西塔で、この右側には↓
東塔があります。
山門をくぐるとこんな感じ。↓
山門を入って左が西塔、
そして中央に本尊を納める金堂↓
そして右側に東塔↓
といった具合です。
西塔と金堂は最近修復を受けたようで、鮮やかな着彩がなされていますが、東塔は古い木肌が見えています。
後でお坊さんに説明を受けた事には、この東塔は僅かに傾き始めていて6月ごろから8年ほどかけて修復作業が始まる予定になっているそうです。
運良く東塔を見られるタイミングに当たったようです。
そして中央の金堂には、前述の薬師三尊が祀られています。
堂内は撮影禁止なので、お堂の外から三尊を撮影しました。
本尊の薬師瑠璃光如来↓
右脇の日光菩薩↓
そして左脇の月光菩薩↓
7~8世紀に作られた金銅仏で、柔らかな曲線で形作られていて仏像という信仰の対象であることと別に美術として非常に優れた作品です。
存在を知ってから20年以上経っての対面ですが、期待を裏切らない素晴らしい仏像でした。
金堂内ではお坊さんが仏像や薬師寺についての解説を行っており、それによるとこのお寺は宗教的な意味の他に、当時のエリートの教育を行う政治的な意味合いのつよい施設であり、その為政変や内乱が起こると攻撃対象にされる事が多く、何度も焼失して当時からのもので現存する物は、金銅仏であった為に燃え残った薬師三尊だけなのだそうです。
また、現在の一般的なお寺と違い、奈良の古くからのお寺は檀家を持たない為に収入源が無く、古くから寄付や資金援助で運営されてきたそうです。
この薬師寺については般若心経の写経を収め、保管する事で料金をとって復元、維持、運営の資金に当てているそうです。
という訳で僕も協力する意味で一巻購入してきた次第です。
長年おもっていた対面を果たして薬師寺を後にしました。
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