このイベントには旧キット選手権の他に一般枠でもスペースを頂き、当初は製作中のダンバードを旧キット枠で、ダンバイン2000年型を一般枠でと考えていたのですが、途中で酒餅6に参加するべくプロメウスに手を出した為、プロメウスが完成したころには千葉しぼりに後2つを完成させるのは無理な感じになってしまったので、結局一般枠にはプロメウスに出てもらい、
旧キット選手権にはより完成に近かったダンバイン2000に出てもらう事にしました。
そんな布陣で臨んだ千葉しぼり。
僕の展示はこんな感じ↓
プロメウスは2か月のうちに足腰のポリキャップがすっかりヘタっており、作品名札の支柱に意識的によっかけて転倒を防いでいます。
昔のポリキャップってこうなんですよね。
ダンバインの方は家では何とかついてた8枚のプリュウムのうち2枚がどうしてもはまらず、残りのプリュウムも自重が重いせいか角度が今一決まらない状態になってしまいました。
出来栄えにはそこそこ自身があったのですが展示の仕方は勉強の余地ありです。
そんな感じでスタンバイを済ませ、主催の千葉しぼりの会会長のn兄さんの音頭で開会です。
展示数は600点を超えようかと言う盛況ぶりですが、僕が個人的に目を引いた作品を紹介します。
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まずはAWAXYさんの1/100バイファム
放映当時発売されたBGM集のレコードジャケットのイメージを再現した作品です。
キット自体は当時名作との呼び声も高かった製品で、脚部にはスプリングを使ったサスペンションが付いてました。
80年代当時のハイテクのイメージってプリント基板だったんですよね。
そんな総合的にノスタルジーに引きずり込まれる作品でした。
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DOOVAさんの1/60ザク
僕が少年の頃行列に並んで5人手前で売り切れたシャア専用ザクですが、カラーリングがいわゆるピンクよりかなり赤寄りの配色で、MSVの後期頃に「御大」大河原邦男先生が好んで使われた色使いだと記憶しています。
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Fanさんの1/100巨神ゴーグ
メタリック調の塗装が決まってます。
かなりのレア物キットですが、顔は残念な製品で、当時発売されたトイに挿げ替えられているそうです。
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GAAさんのテスター1号機
僕が幼少の頃の人気番組「0テスター」
の主役メカであるテスター1号機です。
実はこのメカはダンバインと同じ「ゴッド」宮武一貴先生のデザインです。
ネタのストライク具合もさることながら、作品もマーク1とマーク2の接続部に段差を付けてエアインテークを作ったり、マーク3の主翼が前進翼になっていたりと、元のイメージを壊さない絶妙なアレンジが効いています。
見る度にテーマ曲が胸に甦ります。
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GEKIさんの1/100旧ザク
大きくディフォルメされた左ショルダーでタックルを仕掛けるポーズですが、台座の中にMG旧ザクが鏡写しの様に仕込まれています。
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GUCCIさんの1/100ザク
旧キットながら大河原ラインの中に今風のトレンドを取り込んでいます。
今風と言ってもMGに引っ張られず自分流のディテールが現れていて良い感じです。
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水没ディオラマという独自のジャンルを持つ、千葉しぼりのメンバーでもあるMASAKIさんの「異国の空」
故郷から遠く離れた星で戦死した「超時空要塞マクロス」の敵兵ゼントランの骸と、破壊された愛機リガードを使ったディオラマで、海と岩場を縦方向にまとめられた作品で、それだけでなく岩場に海鳥、草むらに花といった具合で、細やかに手が入っています。
mickeyさんの1/100オットリッチタイプ
「戦闘メカザブングル」に登場するウォーカーマシンのオットリッチタイプですが、1/35のトラクターを機関部ごと組み込み、2脚から4脚へ変更といった強烈なアレンジで、1/35モデルとして製作されています。
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naojinさんの1/72マベリック専用ヘリポート
「太陽の牙ダグラム」に登場する連邦軍のコンバットアーマー空輸用ヘリコプターマベリックとブロックヘッドをスクラッチの専用ハンガーで組み合わせてたディオラマ風の作品です。
naojinさんとは閉会後の懇親会でご一緒させていただきました。
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千葉しぼり代表でもあるn兄さんの「兄さんのザク」
1/100ザクからの改造ですが、「御大」大河原先生のイラストを忠実に再現するべく強烈なディフォルメを利かせたパースモデルになっています。
スタイリングもそうですが、塗装が特徴的で、本放送から劇場版の頃に大河原先生がハイライトに用いたザラッとしたタッチが忠実に再現されています。
パワーチューブも当時の密巻スプリング系の表現ですね。
n兄さんは懇親会で模型論を熱く語っておられましたが、非常にお忙しい方なのでじっくりお話しできませんでした。
またお会いした時には話の続きをしたいなぁ
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REN_Wさんの「ダンバイン&ドラムロ」
旧キットのダンバインとドラムロを組み合わせたディオラマです。
ダンバインとドラムロは、共に可動モデルだそうですが、ディオラマとして纏められており、渦巻く雲が飛翔感を表現しています。
御本人にお聞きしたところ、偶然との事ですが雲の色使いが出渕裕さんのイラストを思い起こさせます。
REN_Wさんとも懇親会でご一緒させていただきました。
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roketwoさんの 1/100プロマキス・ジー
「機甲界ガリアン」に登場する敵メカ人馬兵プロマキスの指揮官用機がこのプロマキス・ジーです。
レアなキット(ゴーグもそうですが、ボトムズ系を除いてタカラのキットは殆ど再生産も無いのでどれもレアアイテムです)を躍動感のあるポーズに纏め上げています。
後ろ脚にはこのメカのキャラクターポイントであるバックファイアが再現されています。
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ti7019さん(当ブログでリンクを貼らせていただいている部長さんです)の「機甲界」
先ほど書いた通りガリアンのキットはすべてレア物ですが、それをガリアン、ウィンガル・ジー、プロマキスの3体連作とした贅沢な作品です。
ウィンガルはライバルキャラであるハイ・シャルタットの乗機として銀色に塗装されており、連作としてはちぐはぐに成りがちなところを、他の2体もメタリック調にすることで、絶妙にトーンを調整しています。
ブログで交流していただいてからずいぶん経ちますが、やっとご本人にお会いする機会に恵まれて嬉しかったです。
当日はブログに掲載されていた1/24ダンバインも展示されていました。
ちょっとした仏像サイズの巨大さです。(汗)
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YUYさんの「星の鼓動は愛」
Zガンダム(タイトルからして劇場版?)のラストバトルを再現した垂直方向のディオラマです。
懇親会でご本人からZを見せていただきましたが、機首先端がベースからの電力を受け取るピンジャックになっていて、本来はノズルが発光するギミックが仕込まれています。
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ZAKU-raiさんの「転生」
ダンバインの昆虫的キャラクターを膨らませて蛹から羽化するイメージのヴィネットです。(tiさんのブログで気が付きましたが、旧キットからHGに脱皮してるんですね)
羽化したての白いボディ、伸びかけの翅等、昆虫らしいディテールが表現されています。
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Zanさんの1/144グルーン
元のキットはダルでかっこ悪い感じなのですが、格好良い所を拾い出して纏め上げられていて、アニメのイメージを良く再現されています。
Zanさんには直接お話を伺いましたが、かなり細かいところまで関節が仕込まれているそうです。
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ZIGGYさんの1/100スモー
「∀ガンダム」でディアナ親衛隊の隊長ハリー・オードの愛機で、デザインは「巨匠」シド・ミード先生によるものですが、ものすごく太い手足を、上腕と前腕、太腿と脛がものフォルムの様につながっていくデザインはアニメとしては表情が付けにくいようで、アニメ作画用設定ではプロポーションを修正されています。
このキットはアニメ用設定に基づいている為、ミード先生の画稿とは似ているようでかなり違うのですが、そこをミード画稿のラインに近づけるべく、頭部の扁平化や膝の大型化と共に太腿と脛のラインの調整、両拳の新造等、多岐に渡って手が加えられています。
また、塗装では金色のトーンに変化を与え、琳派の日本画や蒔絵の様な趣を加えています。
微妙な仕上がりなので、近くで見ると見る角度で表情が変わる逸品でした。
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エムロボさんの1/60フルアーマーガンダム
ご本人とお話しする機会に恵まれて直接お聞きしましたが、芯にストライクガンダムが入っているそうです。
こういう大物のキャラクターモデルは面がのっぺりしがちなんですが、適度なディテールが配されていて、大きなキットを間延びせずまとめられています。
エムロボさんは酒餅6にも出品されており、キャノピー消失と言う大惨事に見舞われつつも完成にこぎつけたブッシュマンも見せていただきました。
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obiobiさんの1/100ARVウグ
obiobiさんも千葉しぼりのメンバーです。
「銀河漂流バイファム」の敵勢力ククトニアンが使うメカで、ガンダムで言う所のザクの様なポジションです。
元々非常に個性的なフォルムが魅力的なメカですが、その部分を更に推し進めて「異形」そのものと言った形に仕上げています。
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かさばる兄さんの1/48ビランディ
ビランビーの改造ですが、オリジナルの設定を盛り込まれて、ビランディという名前になっています。
オーラバトラーの表現としては僕のダンバインとは逆方向で、怪獣的な方向に振って作られています。
こういう作り方の幅がオーラバトラーのモデリングの楽しいポイントです。
ツイッターには乗せ損ねましたが、実は背中に髑髏を背負っていて、その髑髏が剣の鞘を咥えてます。
後で僕のダンバインと記念撮影して頂きました。
ビランディが1/48で、僕のダンバインは1/35なのですが、サイズが殆ど一緒です。
如何にダンバインが小さくビランビーが大きいかが解ります。
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ガッツさんのムサイ艦隊
ジオン公国の巡洋艦ムサイを4隻使ってのディオラマです。
ムサイ自体は結構出来のいいキットですが(実は僕が生まれて初めて作ったガンプラがも量産型ムサイ(今考えると軍艦で量産型?ですね)でした)、さらに細かく作り込まれており、遠景には自作のコロニーも配置されています。
懇親会で周りを飛んでいるのザクを見せてもらいましたが、米に名前を書くようなレベルの労作でした。
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イーハトーバーさんの1/72ボゾン
このキットはオーラバトラーの中では比較的出来のいいキットですが、元のデザインでは手首が回らないので、剣を持てないんですよね。
劇中では何となく持たせちゃってますが、キットはそうもいかないのでフォークボールの握りの様な持たせ方になっちゃってました。
この作品は手首に関節を新設し、剣を綺麗に構えられるようにしています。
また、並行して手首に内蔵されているフレイボムも破綻なく配置しています。
背部のオーラコンバーターも独自の解釈の改造が施されています。
今まで見たボゾンでは一番説得力を感じました。
ツイッターではお話しさせていただいてるのですが、当日は直接会ってお話しする事が出来ませんでした。
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シンさんのエルメス
ツイッターに製作状況をアップされていて、追っかけていた作品です。
元のキットは1/550ですが、1/400位になっているそうです。
製作序盤は全く別物に見えたのですが、終盤にカウリングが被って一気にエルメスになるのが印象的でした。
カウルの下の機構は独自の解釈で個性的に纏めつつも元デザインから逸脱しないように作られています。
メガ粒子砲の配置は機体下面に変更されていますが、僕的には納得です。
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たけさんの1/48ドリファンド・ダル
ダルは「超時空世紀オーガス」の登場メカで、他の何にも似ていない独特のフォルムとギミックは、「ゴッド」宮武一貴先生がいかに凄いセンスを持っているかを痛感させられるメカです。
作品は宮武メカらしい独特のシルエットが目を引きます。
僕は作ったことが有りませんが、このアリイ製のキットはかなりの難物のようで、経験者からは被害報告の様なコメントを聞きます。
展示会に向け終盤に物凄いスパートで完成されました。
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フォレストさんの「憧夢」
フォレストさんも千葉しぼりのメンバーの方です。
聖戦士ダンバインの放送当時出渕裕さんがアニメ雑誌アニメックから出版されたダンバインのムックに書き下ろしたイラストを立体化されたディオラマです。
直前まで作られていたベースを作り直すという拘り様で頭が下がります。
その様子はご本人のブログに乗せられています。
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ブラックスマーフさんの1/1000ブリタニアⅡ
SF小説の金字塔「レンズマン」のアニメ化作品「SF新世紀レンズマン」(正直アニメの出来は微妙なんですが)の主役級メカ、ブリタニアⅡです。
元のキットは当時トミーから発売されたキットで、当然再販も無く、シリーズ全般レアキットなのですが、その中でもさらにレアなアイテムです。
キットの出来自体はかなり良いらしいのですが、作品は更に細かなディテールが加えられつつも劇中のイメージを損なわれないようにバランスがとられています。
また、各所に細かな電飾が施されています。
この作品はツイッターに製作状況をアップされており、今回もっとも見たかった作品の一つです。
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まつおーじさんの「休息」
naojinさんの作品でも扱っている1/72マベリックをソルティックと絡めてヴィネットに仕上げています。
ダグラム特有の60~70年代のアメリカ兵器らしい雰囲気がよく表現されています。
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まんねんさんの「強襲」
シャアのジャブロー潜入をディオラマにした超大作です。(とにかく大きい)
1/100の小さなフィギュアが多数配置され、地上のクレバスからのMSの侵入、シャアに率いられた工作員たちと連邦兵士との銃撃戦といったシーンが右から左へ流れていく絵巻物(伴大納言絵巻はこんな感じですよね)のようにストーリーを左から右へ追って読み取れるように作られています。
スケール感、細部の作り込み、そして物語性と、見ていてため息が出ました。
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ランバ・ラオさんの1/60ドム
1/60ドムは元々やたらと大きくのっぺりした印象のキットですが、それををさらに大きく(1.5倍くらい?)しつつも間延びしないようにディテールと大胆なアレンジを加えた大作で、生で見ると大迫力でした。
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改造モルモットさんのプロメウスタイプ
プロメウスタイプの給油風景をヴィネット仕立てにした作品で、今回のコンテストで最高得点を上げられました。
僕も1/100を作りましたが、こっちは1/144で、小さいのにとてつもなく細かいディテールと情報量、それに小さいスペースにドラマ性が盛り込まれています。
WMのキャラクター性ともよくマッチングしていて、小さな大作と言っても過言ではないと思います。
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学屋さんの1/100小型ウォーカーマシンの連作
小さなウォーカーマシンに手摺やマフラー等、多くの手が加えられて「使い方が読める」WMの特性をいかんなく発揮しています。
実は僕がプロメウスを作るときも大いに参考にさせていただいていたので、直接会ってお話しできて嬉しかったですねぇ
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信玄ササダンゴさんの「撤退」
「装甲騎兵ボトムズ」のクメン篇で、主人公のキリコに川に突き落とされた、今や「アニメに登場する一緒に仕事をしたくないクソ上司」のランキングで、僕的にはベルク・カッツェと並ぶトップランカーのカン・ユー大尉とそのクソ上司を律儀に救出する、頼りになるクエント人傭兵ル・シャッコの撤退シーンを描いたディオラマです。
橋の上にはビーラーゲリラのATスタンディングタートル、そして鉄骨や枕木で急ごしらえっぽい作りの橋の下にはカン・ユーとシャッコという二重構造でドラマ性を演出されています。
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只野☆慶さんのダグラム
「太陽の牙ダグラム」2クール以降のOPで破壊されたソルティックの後ろにそびえ立つダグラムをイメージしたヴィネット風作品です。
何処から弾が飛んできて、どんなダメージを受けて撃破されたのかがよく解るソルティックのダメージ表現が秀逸です。
ダグラムも下から見上げた事を想定し、頭が小さめに作られているようです。
残念ながら只野さんにも直接お会いできませんでした。
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豆タンクさんのスクラッチの1/48ダグラム、キット改造の1/144グルーンと1/48ダンバイン2000の連作
独自の解釈で大きくアレンジされたフルスクラッチのダグラムが秀逸です。
コンバットアーマーがどのように使われて、どんなディテールを持った機械なのかを良く考えて作られていて、好感が持てます。
ダンバイン2000は僕より先に完成されちゃったので、嬉しくもあり悔しくも有りです。直接お会い出来て良かったのですが、もっとじっくりお話しをしたかったです。
豆タンクさんのダンバインとは後でツーショットを撮らせてもらいました。
雷後さんのゴッグ
1/100ゴッグの改造ですが、安彦良和先生の作画のイメージを再現しつつも、独自性を感じる作品でした。
ディテールのバランスや、汚れの表現等が秀逸で、僕もゴッグを作ってみたくなったりしました。雷後さんも直接お会いしてみたかったですが、お会いできませんでした。
閉会後、片付けの時にかさばる兄さんが声をかけてくれて、豆タンクさんと一緒にオーラバトラーの集合写真を撮らせてもらいました。
以上、他にもいっぱい傑作や大作が展示されていました。
その後懇親会に流れて酒を飲みながら、全国のモデラーさんと意見交換をしました。
初めて参加した模型展示会でしたが、非常に有意義な一日でした。
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