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―エターナルガード―
長い冬の数か月間、アセル・ロゥレンの森は季節のサイクルの中でその力が弱る減退期に入る。
ツリーマンは眠りに落ち、普段は活発なドライアドでさえその動きが鈍ってしまう。
その間、森の中に散在する重要な場所の防衛の任に就くのは、アセル・ロゥレンの貴族の子女からなるエターナルガードである。
エターナルガードの中で尊敬を勝ち取る為には、戦場での優れた技量を証明するしかない。
というのは、その任務は非常な困難と危険を伴うものであるからだ。
森が凍てつく季節に外敵の攻撃が有れば、エターナルガードは森の精霊達の助力を受けずに持ちこたえる事を要求される。
敵は外部からばかりではなく、森に悪い気が立ちこめる時には荒ヶ森から影の精霊が這い出す事も有る。
敵が闇の精霊であろうと、略奪にはやるビーストマンであろうと、また、迷い込んできた求道騎士であろうと彼らは断固としてその行く手に立ち塞がる。
彼ら侵入者にとって、エターナルガードはどの異種族もが容易に到達しないような戦技を身に着けた、恐るべき敵対者である。
十分な人数が居る時、彼らは密集体系を組んで槍を突出し、研ぎ澄まされた優雅な動きで敵を切り裂く。
エターナルガード自体は大枝で作られた砦のような隊形を作り出す。
彼らは定められた場所で根を張ったように足を踏みしめ、しっかりと盾を構え、木の葉型の穂先をした槍で槍衾を作り、襲い掛かる敵を切り刻むのだ。
また、彼らの主な任務は冬の間に集中しているが、森の警備や広間の管理者、また貴人の護衛として、一年中その勤めが絶えることはない。
実の所、本当に高位の君主達が遠出の際に数百人のエターナルガードを伴う事はあまり知られていない。
そしてその人数は、戦が予想される事態となれば急激に増えていく。
エターナルガードは、彼ら自身の命よりも自らに課せられた任務を重視しており、彼らの仕える君主の為になら命を顧みずに戦う。
このように、彼らは襲い掛かる過酷な運命をも物ともせずに昼夜を問わず断固として戦い続ける。
その敵が一人であろうと千人であろうと彼らは決してあきらめる事はない。
また、アセル・ロゥレン内部の諍いや内戦の調停として行われる決闘の代理戦士が必要なとき、慣例としてエターナルガードの中から選出される。
こうした戦士は、常日頃の戦いや訓練の中で常に高いレベルを維持する事を求められ、そうした中から特に優れた者として君主の関心を買った者から選ばれる。
そのような代理戦士に指名されることは、その勝ち負けに関わらずエターナルガードにとって最高の名誉であると同時に、彼らはその決闘が何千もの命を救うことになるのを熟知している。
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彼らが貴族の出である事と、とにかく命知らずの戦士であることが強調されています。
6版からのユニットなので、背景設定はそんなに変わっていませんね。
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