15日の日曜日は練馬の定例会でした。
今回は一応FBメインとの事だったので、4月末に発表された新ウッドエルフを担いで行きました。
本当は5月18日のArrowsさんのトーナメントで初陣を飾るつもりだったのですが、仕事で休日が潰れた為、結局6.15が初参戦となりました。
最近練馬で話していたことですが、7版以前のFBは、2000ptsでバランスが取れるように出来ていたが、8版は1ユニット内のモデル数が増えた事で結果的にユニットの数が減った為、2500や3000のような高ポイントをメインにするべきではないかという意見があり(僕も同意見です)、今回は2000、2500、3000ptsのロスターを用意していきました。
初戦はあっきいさんのダークエルフ2500pts。
僕の編成は
・オリオン
・グレィドキャプテン スタッグ騎乗
・スペルシンガー スティード騎乗
・ウェイストーカー
・ブランチレイス
・中央を任せる歩兵としてドライアド
・射撃要員としてグレィドガード(毒矢)
・同じく射撃部隊兼ウェイストーカーの合流先としてウェイウォッチャー
・遊撃部隊兼スペルシンガーの護衛としてグレィドライダー(連射)
・遊撃部隊としてウォーホークライダー
・打撃部隊としてワイルドライダー
でした。
いきなりスペキャラのオリオンを使うのは邪道な気もしますが、7版までは多用していたオリオンがどのくらい強くなったのか見てみたかったのと、2500ともなるとモンスター無しでは厳しいだろうという事も有って入れてみました。
また、アーミースタンダード(以下ASB)を入れるのが最近のセオリーですが、機動戦力の多い編成では生かせないと思い、今回は入れませんでした。
対するあっきいさんのダークエルフ。
ジェネラルはシュープリームソーサレスが務め、彼女の合流するスピアマン、打撃部隊にはASB合流のコールドワンナイト(以下C1K)とチャリオットに2頭のヒドラ、遊撃部隊のダークライダーとウォーロックに加えてダークペガサス騎乗のヒーロー、スカウトとしてシェイド、射撃要員としてクロスボウマンとボルトスロアーという編成。
2500ともなると、お互いユニット数も多く成りますね。
シナリオは僕がウッドエルフ初使用という事も有ってダイスは振らずに「正面決戦」としました。
幸い先攻を貰えたので、どう見ても厄介そうなウォーロックにキャプテンからHail of Doom Arrow(滅びの雹)を射こみました。
ルールが変わって「鎧を貫通」が入ったのですが、「連射」扱いになった事と移動ペナルティが復活したことでヒットロールへの影響が増えた為、以前は2+くらいでヒットロールしていたのが、3~4+となり、意外と当たりません。
その代わりと言ってはなんですが、総合的にユニットの射撃力が向上していて、ワード4+で粘られて数ターンに及んだものの、ユニットの射撃のみで10人のウォーロックを取りきることが出来ました。
ワイルドライダーは距離を調整しようとしていましたが、射撃を集中されると厄介(1斉射目は出目のおかげで助かりました)なので、手数に任せてC1Kに突撃。
7人のライダーで7人のナイトを完殺出来ましたが、ASBが頑張り、裏のターンにヒドラの突撃を受けて、こちらも全滅。
全滅しましたが、固いC1Kを取れたので、ちゃんと役目を果たしたと言えるでしょう。
瞬間攻撃力が高く防御力が低いというのは予想どおりでした。
今回強力だったのはオリオンで、射撃と接近戦で猛威を振るいました。
Hawk's Talon(鷹の鉤爪)は以前の「攻」6単射だったのが「攻」5の5連射になり(6.18訂正連射6でした)、オリオン本人の射の向上も有ってかなり強力です。
また、行進すると射撃出来ない為、射撃の為には歩かざるを得ないのですが、使っていない間に㎝からinに単位が変わり、実質移動力が伸びた為、意外とポジション取りがしやすく、接近戦が大幅に強化されたため、以前は敵ユニットの正面を避けてポジショニングしなければいけなかったのが、相手にもよりますが、「迎え撃て!」が出来る距離なら敵の前面に立っていられるのようになったため、かなり動きやすくなりました。
ゲーム自体はその後一進一退で進み、中央のドライアドを取られた上に、こちらはせっかく敗走させたダークライダーとソーサら―合流のスピアマンを捕まえ損ねたので、負けたかと思いましたが、ポイント計算してみると僅差で勝っていました。
長年のライバルでもあるので、ウッドの初陣にはこれ以上ない相手でした。
そして今回はあっきいさんが「せっかくウッドを持ってきたんだから慣れるまでやって行け!」との仰せで、ヴァンパイアカウント率いるじゃんくさんに相手をしてもらい2500pts2戦目です。
じゃんくさんの編成は
グールキングをジェネラルに、若きマンフレッド合流のブラックナイト、歩兵がグール2レジとマスターネクロマンサー合流のスケルトン、モンスター歩兵のクリプトホラー、遊撃部隊のヴァルグールフ、飛行モンスターのテラーガイストという布陣でした。
シナリオは同じく正面決戦。
テラーガイストとは初顔合わせなのでルールを聞いたのですが、接近戦能力以上にバンシー顔負けの「泣き」攻撃にビビりました。
接近戦中も使えるとの事なので、突撃しても動きを止められないわけですね。
という訳でなるべく射撃で対処しようと思い、グレィドガードとライダーの射撃を集中させると、初回で2ダメージ程入れる事に成功し、その後も射撃を集中していきました。
最終的にはオリオンに「泣き」で2ダメージ入りましたが、その後の射撃で討ち取ることが出来ました。
また、放っておくと厄介なヴァルグールフも滅びの雹とウェイウォッチャーの集中射撃で撃破。
接近戦の方はオリオンとヒーローでブラックナイトに突撃して1ターンで全滅。
ヒットロールの振り直しがやはり強力です。
また、オリオンの6in以内から突撃すると「猛突撃」がもらえるので、随伴突撃でさらに威力がアップします(ワイルドライダーは元々持ってるので馬の方にしか効きませんが)。
ヒーローはここで2ダメージ受けたので、大事を取ってリザーバー的に運用します。
オリオンはその後ネクロマンサーの暴走で数を減らしたスケルトンとグールを撃破しました。
ワイルドライダーの方はグレィドライダーをけん制するクリプトホラーに突撃し、お互い削りあいながら最後に何とか撃破に成功(アンラヘアの呪いが成功したおかげで、反撃を抑えられたのが良かったようです)。
ワイルドライダーは長期戦の場合は魔法か他ユニットの支援が必要なようです。
そんな感じで久しぶりにじゃんくさんに勝つことが出来ました。
今回の2戦を振り返っての感想ですが
※オリオンが強い
射撃もそうですが、「攻」6でアーマーセーブをキャンセル出来るのと、ヒットロールの振り直しが強いです。
また、モンスター歩兵からモンスターに格上げされたので、「攻」6で踏み荒らしが出来るようになり、歩兵に対してかなり強くなりました。
逆に2000pts以下では入らないので、「攻」6を戦場に持ち込む工夫が必要なようです。
※エンチャンテッドアローの選択
新ウッドになって移動ペナルティ免除のボーナスが消えて代わりに出てきたのが、「鎧を貫通」とエンチャンテッドアローですが、今回使ったHagbane tips(毒攻撃)とSwiftshiver shard(連射)はどちらも相応の効果を発揮しました。
毒攻撃は対処しにくいモンスター等の大物に効くのと共に、毒の効果はヒット6で決まりなので、射撃ペナルティの影響を受けにくいのが強みだと思いました。
今回はやたら6が出て大活躍しましたが、あくまでも6のみなので有効に使うには出来れば12人以上のユニットで運用するのが良いと思います。
となると自動的に単価の安いグレィドガードかスカウトが最適じゃないでしょうか?
毒を当てにすればペナルティを気にせずにポジションチェンジして打ち続けるのもいいですね。
あっきいさんの感想としては毒に加えて「鎧を貫通」が地味に効くとの事でした。
連射の方はその分ペナルティが入るのですが、ダークエルフのクロスボゥと同様で、期待値が同等なら、最大値が大きい方が有利なのでどんどん使った方が良さそうです。
定例会でもそういう意見が出ましたが、至高の魔法で「射」を上げるとかなり効きそうです。
10人以下の射撃数の少ないユニットに付けるのが良さそうです。
※ウェイストーカーが意外と使いにくい
狙撃を持っているうえに連射も出来るので、合流中のウィザードを撃つのに良いかと思って入れてみましたが、射撃アングルがとりにいくく、敵も見えるところにウィザードを立たせたりはしないので、結局狙撃は一度もやりませんでいた。
ウェイストーカー1人でウェイウォッチャー4.5人分のポイント(当日はタリスマンが付いて5人分)を食うので、別の事にポイントを使う方が良さそうです。
ちなみにウェイウォッチャーの方は、なかなかいい感じでした。
※ドライアドが優秀
今回ランク歩兵が強化されて、エターナルガードがコアに、またスペシャルにもレンジャーが入りスカーミッシャーだったドライアドもランク歩兵になりました(厳密にはグレィドガードもランク歩兵だけど射撃ユニットなので除外)。
エルフの2ユニットはそれぞれ優秀ですが、「耐」を重視してドライアドを使ってみました。
結果は2戦とも全滅しましたが、割と長い間敵の動きを拘束してくれたのと、死ににくい分ランクが残って「ゆるぎなし」が消えずに使えました(2戦目は出目がコケましたが)。
今後他の2つを使ってみないと何とも言えない所ですが、ドライアドは今後も使って行けそうです。
全体の感想としては、射撃が強くなっていて、6版レイヴニングホード版(4版のアーミーリストを6版当時のルールにアップデートした物)くらいの射撃依存度だと思います。
また、打撃部隊のワイルドライダーの損耗率が高いので、複数運用するか、マジックで支援できるようにウィザードを増やすか、といった対策の必要性を感じました。
とにかく新ウッドの初陣を勝ちで飾れてよかったです。
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2014年6月16日月曜日
2014年6月14日土曜日
エターナルガード
翻訳を進めているユニットの背景設定ですが、今回はコアユニットになるエターナルガードです。
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―エターナルガード―
長い冬の数か月間、アセル・ロゥレンの森は季節のサイクルの中でその力が弱る減退期に入る。
ツリーマンは眠りに落ち、普段は活発なドライアドでさえその動きが鈍ってしまう。
その間、森の中に散在する重要な場所の防衛の任に就くのは、アセル・ロゥレンの貴族の子女からなるエターナルガードである。
エターナルガードの中で尊敬を勝ち取る為には、戦場での優れた技量を証明するしかない。
というのは、その任務は非常な困難と危険を伴うものであるからだ。
森が凍てつく季節に外敵の攻撃が有れば、エターナルガードは森の精霊達の助力を受けずに持ちこたえる事を要求される。
敵は外部からばかりではなく、森に悪い気が立ちこめる時には荒ヶ森から影の精霊が這い出す事も有る。
敵が闇の精霊であろうと、略奪にはやるビーストマンであろうと、また、迷い込んできた求道騎士であろうと彼らは断固としてその行く手に立ち塞がる。
彼ら侵入者にとって、エターナルガードはどの異種族もが容易に到達しないような戦技を身に着けた、恐るべき敵対者である。
十分な人数が居る時、彼らは密集体系を組んで槍を突出し、研ぎ澄まされた優雅な動きで敵を切り裂く。
エターナルガード自体は大枝で作られた砦のような隊形を作り出す。
彼らは定められた場所で根を張ったように足を踏みしめ、しっかりと盾を構え、木の葉型の穂先をした槍で槍衾を作り、襲い掛かる敵を切り刻むのだ。
また、彼らの主な任務は冬の間に集中しているが、森の警備や広間の管理者、また貴人の護衛として、一年中その勤めが絶えることはない。
実の所、本当に高位の君主達が遠出の際に数百人のエターナルガードを伴う事はあまり知られていない。
そしてその人数は、戦が予想される事態となれば急激に増えていく。
エターナルガードは、彼ら自身の命よりも自らに課せられた任務を重視しており、彼らの仕える君主の為になら命を顧みずに戦う。
このように、彼らは襲い掛かる過酷な運命をも物ともせずに昼夜を問わず断固として戦い続ける。
その敵が一人であろうと千人であろうと彼らは決してあきらめる事はない。
また、アセル・ロゥレン内部の諍いや内戦の調停として行われる決闘の代理戦士が必要なとき、慣例としてエターナルガードの中から選出される。
こうした戦士は、常日頃の戦いや訓練の中で常に高いレベルを維持する事を求められ、そうした中から特に優れた者として君主の関心を買った者から選ばれる。
そのような代理戦士に指名されることは、その勝ち負けに関わらずエターナルガードにとって最高の名誉であると同時に、彼らはその決闘が何千もの命を救うことになるのを熟知している。
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彼らが貴族の出である事と、とにかく命知らずの戦士であることが強調されています。
6版からのユニットなので、背景設定はそんなに変わっていませんね。
2014年6月8日日曜日
スペルシンガー
前回から背景設定の翻訳も領域からユニットに移って、今回はスペルシンガーとスペルウィーヴァーです。
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―スペルシンガー―
そもそもエルフは魔法的な存在だ。
しかし大抵の者はこの才能が弱いので、何かの前兆を感じ取ったりする程度だが、まれに本当に才能が有る物は、その強力な力を道具の様に使いこなすことが出来る。
そうした力は常に危険をはらんでおり、無思慮な者が扱えば破滅的な結果をもたらす。
他のエルフ達はそうした影響から身を守ろうとする一方、スペルウィーヴァーやスペルシンガー達は、森の眠れる意識と心を接続することで、自分自身を守っている。
この接続によってウッドエルフのメイジはアセル・ロゥレン全体との特殊な関わりを持つようになる。
幾つかの方法を経る事で、彼らはドライアドやツリーマンと同様、大きな知性の一部となる。
このつながりは、森と特に強力なメイジとが知恵や知識を交換することが森自体の再生をするために必要であると互いに認識するものである。
そしてこれにより木々の成長速度を劇的に変える事により、森の中の道の形を変え、侵入者を足止めしたり、エルフ達の展開を早めたりすることが出来る。
ただ、このような策略は必ずしも確実ではない。
というのもロゥレンの森はこうした要望をしばしば拒絶するので、彼らは要望を受け入れる様、説得し、時には騙すような交渉さえする。
ウッドエルフがまれに何かの理由で多種族との交渉に及ぶとき、側近と共に外国の宮廷に赴き外交上の使者の任を与えられるのは、こうしたメイジである。
こうした旅にあるとき、メイジは彼とその同行者を潜在的な危険から守る為に、彼らを物理的な世界から遠ざけておく呪文を使う。
そうした一行がアセル・ロゥレンの使者として出向くときには、半透明に見える為、しばしば各地の農夫たちの間に幽霊の物語として語り継がれることがある。
彼らはウルサーンのメイジの様に整然と系統だてた魔法を実践し、ナーガロスのサディズムに染まることもない為、ウッドエルフのメイジは至高の魔法体系と暗黒の魔法体系の両方の魔法を使うことが出来る。
前者は報復の季節においてアリエルの長年にわたる指導による遺産である。
メイジクイーンの努力にもかかわらず、一握りのメイジは暗黒の魔法に手を染めた為、ウッドエルフはその後も危険性をコントロールしつつ、暗黒の魔法体系を使い続けている。
今までのところ、アリエルの危惧するような狂気に侵されたものは居ないが、将来にわたっては何をもたらすかについては何も解らない。
そして、アセル・ロゥレンにはそのような強力な力を拒絶できる余裕はない。
そして、それは1人のハイ・ウィーヴァーに対して1人のダーク・ウィーヴァーというペアが生まれるという事である。
ダークウィーヴァーが肉を切り裂く魔力の嵐をふるう間、彼女のパートナーのハイウィーヴァーは同盟者を守る為に至高の魔法を行使する。
しかしハイウィーヴァーにはもう一つの役割がある。
それはダークウィーヴァーが使う魔法によっておこる魔力の乱れを鎮め、堕落の力があふれ出すのをとどめる事によって、少なくとも暫くは彼女を狂気から守ることだ。
***
文中の「報復の季節」(Season of Retribution)というのはウッドエルフの歴史の解説文の中に登場する言葉なので、こちらを翻訳すると更に理解が深まりそうです。
また、ハイ・ウィーヴァーとダーク・ウィーヴァーの解説の中ではダーク・ウィーヴァーに対して明確に彼女(her,she)という表現がなされていて、ダークエルフのソーサレス同様、暗黒の魔法体系を使うのは女性だけという括りが有るようです。
ハイとダークのペアはルール上は使ってみないと解りませんが、ミニチュア的には見栄えがしそうなので、1組で作ってみたいですし、高ポイントのゲームでは1度は使ってみたいです。
2014年6月6日金曜日
アセル・ロゥレンの貴人
前回までで12の領域の翻訳を済ませましたが、モデリングやペインティングの為には更に理解を深めたいと思い、ユニットの解説も訳してみる事にしました。
まず最初はアセル・ロゥレンの貴人ことグレィド・ロードとグレィド・キャプテンです。
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―アセル・ロゥレンの貴人―
アセル・ロゥレンの君主達は数千年にわたりウッドエルフを治めている。
彼らは侵入者から森を守る使命を与えられ、彼らそれぞれが治める領域の防衛に対して最終責任を負っている。
アセル・ロゥレンに大きな脅威が迫っているときに彼らは森の精霊達の加勢を求めるが、大抵の場合、森の防衛は彼らの家のエターナルガードやグレィドガードの任務である。
エルフ達はどこの生まれのエルフであろうと、非常に誇り高いのだが、彼らは自身の傲慢さゆえに母国を危険にさらすことを良しとしない。
アセル・ロゥレンの防衛は住民全てに等しく課せられた勤めである。
森の防衛を失敗したがために、貴人がその地位を追われることも前例がない事ではない。
彼らは領域の広間を去って森の小道を抜けて危険な道や悪意に満ちた地域に足を踏み入れる。
そこで貴人はアセル・ロゥレンの精霊に懺悔をし、許しを請う。
幾人かはそこから二度と帰ってくることはない。
他の者は何時間かで帰ってくるが、何十年も年を経たように不自然に老け込んでしまう。
ごく僅かの者は何年もたった後、森との深いつながりによって再びその体に活力をみなぎらせて戻ってくる。
ウルサーンやその他の地域で生活するエルフと違って、ウッドエルフは戦時、平時を問わず、その職業や地位において男女の区別をしない。
アセル・ロゥレンの貴族の家では娘は息子と同様に家督を相続する資格を与えられている。
それでも全ての貴人が同等の地位を得られるわけではない。
アセル・ロゥレンの12の領域では、男女を問わない絶対的立場の君主が支配している。
そして常に向上心を持ち努力を怠らない数多の貴族の子女たちが、己が君主につき従っている。
また、一般にウッドエルフはその生まれによって地位を継承するが、特に秀でた者や勇敢な行いをした者が、より高い地位に引き上げられることは珍しい事ではない。
アセル・ロゥレンの軍が戦いに赴くとき、しばしば彼ら高貴な者たちが、エルフや森の精霊達からなる剣呑な軍団を指揮している。
森が守りに十分な力に溢れる夏の数か月の間にはオリオンの「血の祝祭」に軍団を率いて同行する事も有る。
狩猟の文化はアセル・ロゥレンにおいて根強く、オリオンが眠りにつく冬場の戦場でもその作法を見出すことが出来る。
また、彼ら指揮官のうちの一人が合戦を始める前に、敵将に矢を撃ちこんでその士気を挫くことはウッドエルフの伝統として知られている。
この射手の役割を果たす者は「クルノスの爪」の称号と共に開戦前に割り当てられる。
「クルノスの爪」で殺されるものは滅多にいないのだが、これはそのような目的で射こまれるものではない。
正しくは、敵対者への死の警告、そして狩猟の神より祝福を与えられるための儀式としての目的である。
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という事で、前半は6版の背景設定と似ていますが、後半部分に今回追加されたThe Arrow of Kurnousについての設定が書かれています。
敵将への警告という事で、選ばれた「クルノスの鉤爪」(Talon of Kurnous)だけが矢を射こむようです。
ざっと読んだときにはグレィド・ロードとキャプテン全員が射こむものだと思っていましたが、よく確認したら、one of your models という記述があるので、ルール上も射こめるのは一人だけのようです。
翻訳を進める事でルールが作られた理由も解ってくるので、やっぱりこういう作業は必要なんだと思いました。
2014年6月5日木曜日
ウッドエルフ背景設定―アンミィル―
12の領域の背景設定もいよいよ最後のアンミィル(Anmyr)になりました。
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―アンミィル 枯れ野―
テヴァリル夫人とデリィナ夫人の治める領域
アンミィルは絶望的な衰退の中にある。
幾年も前の事、穢れしけだものモルグフゥルはこの地の中心で討ち取られた。
そしてかの者の血は、そこを中心として何リーグもの土地を汚染した。
アダイヴォッチと呼ばれるかつてアンミィルの中心の広間にあった楡の大木もその戦いのときに生命力を奪われて枯木となり、いまや生命の絶えた不毛の大地にその影を落とすのみとなった。
その日以来アンミィルのエルフはモルグフゥルの腐敗に対して勝ち目のない戦いを続けている。
毎年ビーストマンの戦群れは勢いを増し、ますます多くの精霊達は狂気にとらわれ、木々は衰え、そして死んでいく。
アセル・ロゥレンにおいては、一本の木でさえその損失は悲劇であるから、モルグフゥルの血による穢れの広がりは言葉で表せない悲しみである。
この穢れに対して戦うのは枯れ野の軍勢だけではない。
他の領域の太守たちはモルグフゥルの穢れを放置すれば、やがてアセル・ロゥレン全域が穢されるであろうことを熟知している。
その為、アンミィルではすべての領域のエルフが暴れまわるビーストマンたちと死闘を繰り広げている。
しかし枯れ野の穢れに対しては、剣や弓だけでは戦うことが出来ない。
アンミィルに迫りくる破滅は物理的であると同時に霊的でもある。
なぜならばビーストマン達は暗黒神の意志に突き動かされるケイオスの申し子であるからだ。
そしてエルフの神々はそこに手を加えるほどの力はなく、枯れ野が浄化される時は来ないであろうと言われている。
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ロゥレンの中にある汚染地域ですね。
原発事故が起きた後の日本ではなにか連想させられます。
文中のWhiterholdという言葉は良い訳が浮かばなかったので、白茶けた地域という感じで解釈して「枯れ野」としました。
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