今年の夏は少ないながらも夏休みが取れたので、夏休みの工作としていつもと違うプラモを作ることにしました。
以前に買って長いこと積んであったモビルアーマー・エルメスです。(商品名は登録商標の問題で「エルメス」という言葉を使えず「ララァスン専用モビルアーマーとなっています)
久々のガンプラです。
元のキットはかなり出来が良い物で、設定画の特徴を良く捉えています。
エルメスは富野総監督のスケッチ(俗に富野メモと呼ばれているものです)をほぼそのまま「御大」大河原邦男先生がクリーンアップした物です。
ビグザムやグラブロといった化け物の様なデザイン目白押しのモビルアーマーの中にあって唯一大人しいデザインですが、縦方向の可動軸しか持たない2門のメガ粒子砲が気になっています。
この辺を何とかしたいのと、劇中連邦側から付けられたニックネームの「とんがり帽子」のイメージを強調することをテーマにしました。
そんな訳でまずボディカウルのスリットを裏側から0.5㎜プラ板で埋めました。
それからエルメスにはデルタ翼のようなものが付いていますが、宇宙空間では翼じゃないだろうと言う事で、放熱板と解釈として0.5㎜プラ板の裏表にラジエーター風のスジ彫りを施し、幅5㎜程度に切った0.5㎜プラ板をフレーム状に貼り付けました。
「とんがり帽子」イメージはエポパテにてカウルの縁を跳ね上げる事と中央に峰を作ることで表現します。
とんがり帽子と言うか、マジンガーZに出てくる敵の戦闘員である鉄仮面軍団の兜みたいになりました。この時カウル下の機関部らしいところにあるベンチレーター風のフィンを0.5㎜板に置き換えましたが、もしかするとキットのパーツを削り込んだ方が早かったかも…
カウルの形が整ったら、主砲を付けるヶ所にボールマウントを作る為の穴を、左右でずれないように開口します。
最初は回転砲塔にしようかと思ったのですが、シルエットが崩れちゃうので結局第2次大戦中のドイツ戦車の前面機銃の様なボールマウントとしました。
これでも劇中でセイラのGファイターを撃つ為に真上まで主砲を持ち上げた状態を再現できます。
主砲の基部はいつものコトブキヤABSボールジョイントです。
こうして主砲基部を作りつつ、コックピットの切り込み、さらにコックピット上部の突起部分(富野メモでは戦闘機機首のレドームの様にリフトする様な絵が描かれているので、ビットからの精神波を受け取るサイキックレーダーみたいなものだと解釈し「サイコレドーム」と書きます)をエポパテで整形しています。
それからこのキットには、着陸用のスキッドのパーツが付属しているのですが、今回は戦闘中の状態を再現する為付けませんでした。
そうなると、ディスプレイの方法が無い(グラブロ、ビグロ等にはスタンドが付属していますが)ので、プラ板の積層からスタンドを自作することにしました。
機体とスタンドはボールジョイントで接続します。
富野スケッチによると、この機種の下にモールドされている長方形のパネルがコックピットハッチの様で、ここが開いてエレベーターでパイロットシートが下りてくるようです。
本体をスタンドに固定するほかに、キットに付属する10機のビットとシャアのゲルググはスタンドから真鍮線で保持することにしました。
付属のゲルググは、完全な直立姿勢なのでポーズを付けるべく一旦バラバラにし
削ったりプラ板を挟んで角度を付けつつ再接着してポーズを付けます。
イメージとしてはTVシリーズでのビームライフルを構えるポーズです。
工作が粗方済んで塗装です。
エルメスと言えばライトグリーンで、兵器らしく少しくすんだ色にしようかと思いましたが、劇中にはビグロ、ビグザムと言った緑色のモビルアーマーが他にも登場しており、当時使える色数が少ない中で三者とも色調を変えてあるので、意図が有っての事と思いなるべく劇中の色を再現する方向で調色し、一発目はエアブラシで吹き付け、その後筆塗でアクセントをつけています。
機体表面のパネルラインはスジ彫りではなく、面相筆での描きこみです。
これはスジ彫りが苦手と言う事も有りますが、1/550というスケールを考えると溝を彫るより塗装で再現した方が良いかもしれないと思ったからです。
マスキングテープを貼ってそれを定規にするように筆を添わせると、意外にうまくできました。
そんな訳で粗方完成
本体はラッカー系、細部やビット、ゲルググ等はシタデルカラーで塗りました。
やっぱりこういう細かい物には薄い塗膜でも強い下地隠蔽力を発揮するシタデルカラーが向いているようです。
ビットを繋ぐ真鍮線は、ロケットモーターの噴射炎をイメージしてオレンジ系で塗ってみました。
最後に宇宙空間風背景をバックに完成写真
後からですが、唯一のマーキングであるジオン公国国章を機体上面にシタデルカラーで描きこみました。
いつもは製作に3~6カ月くらいかかっているのですが、今回は2週間程度で出来ました。
製作時間を短縮するのにも良い経験になったようです。